13世紀

2014年12月7日 日常
13世紀
13世紀
13世紀
今日は山梨へ駆り出される。どうも頼まれた仕事を断れない性質なのだが、長い目で見れば自分のためにもなるだろうという理由を勝手につけて、目先のポリクリと国試にはひとまず目を瞑り、新宿から特急あずさに乗り込んだ。

笹子トンネルを抜けると、車窓左手には晴天の甲府盆地の景色が飛び込んでくる。ふと、この間Wikipediaで読んだ日本住血吸虫の話を思い出した。「地方病」と呼ばれたこの奇病には、病因の解明から中間宿主ミヤイリガイの発見、そしてその撲滅に至るまでの長い歴史がある。殺貝剤を撒き、コンクリート溝を造り、多くの水田を廃していくという涙ぐましい努力の結果、この寄生虫感染症は根絶されるとともに、現在のようなブドウ畑が増えていったという。実に興味深い。甲府盆地以外には筑後川流域も流行地だったようで、久留米には「人間社会を守るため人為的に絶滅に至らされた宮入貝をここに供養する」と書かれたミヤイリガイの供養碑があるらしいw

さて、若い人と話すのは楽しい、というのが第一の感想。人前で話すのは本当に久々であった。

しかしながら、聴衆を引き込むような「話術」というものは全く持ち合わせていないから、結構苦戦した。これまでは無意識のうちに軽視してきた部分ではあるが、実は伝達される内容と同じほどに重要な影響を及ぼすことに今更ながら気がつく。生まれてからこのかた、独善でもとくに問題なく過ごせてはきたのだが、これから先の世界を考えるとあまり傲慢に構えていても何らの進歩もない。まあ何にせよ、良い経験だった。この仕事もなかなか悪くない。周りを見れば効率だけを追い求めていくらでも適当に済ませている人が多いが、社会を学ぶ上での多少の勉強料を払っていると思えば十分元が取れているだろう。

写真:ヴィルフランシュ・シュル・メール
最古の門や、中世の遺構など。迷路のような半地下空間です。

823文字

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

日記内を検索