丹波・越中撮影行 4日目 昼
丹波・越中撮影行 4日目 昼
丹波・越中撮影行 4日目 昼
地方水族館へ足を運ぶ。
9/13
石動1239 → 富山1311
北陸本線449M クモハ521-8

富山1317 → 東滑川1335
北陸本線545M クモハ413-5

魚津水族館

たわむれ
午後は413系のみで目ぼしい被写体がないので、暇つぶしに魚津水族館を訪れることにした。撮影の合間の水族館、というのは6月の室蘭で初めて生まれたスタイルである。実際のところ一日ぶっ続けでロケハンやら撮影やらを行うのは結構疲れるわけで、休憩のような意味合いも兼ねてこういった地方水族館を見に行くのはなかなか楽しい。

昨日と違い、北陸本線よりも河口側に架かる橋で早月川を渡る。目に飛び込んで来るのは水族館に併設された遊園地、ミラージュランドの観覧車。土曜日ということもあってか水族館の駐車場は結構埋まっていたと記憶しているが、それでもこの適度にひなびた感じが良い。甘いものが欲しくなったので売店でソフトクリームを買い、プールのペンギンを眺めながら食べる。室蘭と同じく、彼らはフンボルトペンギン。日本の気候でも飼いやすいのだろう。しばらく見ていると、ひたすら泳ぎながらちょっかいを出す者や、陸で立ち尽くして定期的に鳴き声を上げる奴など、色々な性格の個体がいると分かって面白い。外にはもう一つ噴水の水たまりのようなプールがあり、おとなしそうなサメが泳ぎ回っていた。雨が降ってもこうして外に放置されているのだろうか。

館内には魚だけでなくカエルやカメもたくさんいて、主に富山県の自然を前面に押し出した展示である。解説は総じて充実しており、とくに「ここを見てほしい!」と書かれたポイントはかなり面白い。目玉は富山湾の水槽で、ブリやクエなど大型の魚がぐるぐる泳ぎ回っている。このアクリル水槽は下方にトンネル構造を有しているため下からも見上げられる。魚の流し撮りをしていたら、あっという間に時間が過ぎていった。

そういえば2月に氷見の民宿で食べたブリは絶品だったが、毎年毎年こうして泳ぎ回っている奴らが漁獲され、地域の美しい食文化を形成しているのだと思うと、何とも感慨深い。普段刺身や焼き魚で見る姿と、一生物として暮らす姿とが、自分の認識のレベルにおいて絶妙な具合につながってくるのである。そしてかなり強引なこじつけではあるものの、「食膳に上がる前の姿を見る」という点では、黄金の稲穂と一緒に列車を追いかけ続ける今回の撮影行は実は一貫したテーマを持っていたのかもしれない。社会科見学というと陳腐な響きになるが、こうして米が作られ、収穫され、流通している様を目の当たりにすることは、やはり面白いのだ。もっとも、ブリでも米でも何でも、然るべき場所へ行ったり相応の対価を支払ったりすればそれはそれで美味しいのかもしれないが、それらが生まれた風土を肌で感じ取るというこの楽しみは撮影行や旅行に出かけない限りはなかなか得られないと思っている。酒にしても同じことで、実際は東京にいても美味いものはいくらでも見つかるわけだが、それが醸された土地を知っているか、訪れたことがあるかというのは、実は結構な重要な点ではないか。

さて後半部分の展示は世界の熱帯雨林にいるゲテモノや、サンゴやイソギンチャクなどを中心としたもので、純粋に興味をそそられた。特筆すべきは水族館の舞台裏と称し、水槽の裏側を垣間見ることができるスペースが設けられていたことで、絶えず目新しいものを生み出して集客に奔走する地方水族館の姿が思い浮かぶ。みっちり2時間半を満喫してから外へ出ると、辺りはもう夕方の光に包まれ始めていた。

写真
1枚目:フグ
2枚目:ブリ
3枚目:クラゲ

1638文字

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