丹波・越中撮影行 1日目 昼
2014年9月10日 鉄道と旅行
谷を縫う。
・川代渓谷
福知山線は国鉄色381系以外に撮るものが一切ない。収穫が少ないのは仕方ないが、こうのとりにだけ集中していれば良いわけだから気楽ともいえる。まずは篠山口の駅前で電動アシスト付きの自転車を借り、丹波大山~下滝間の川代渓谷を目指して走り出す。道路はアップダウンが激しく、予想以上にくたびれる。ここは電動でなかったらだいぶ厳しいだろう。
最初の撮影地は渓谷南岸の清掃センターへ向かう橋の上である。上りも下りも光線状態は今一つだが、いわゆる定番と呼ばれるスポットで、言ってみれば丹波大山~下滝間の風景を無難にサマライズした感じである。4両編成というのは特急にしては短いが、渓谷の中に収めるとなると案外丁度良いサイズかもしれない。そして俯瞰して初めて気が付くのだが、381系の屋根上が異様にすっきりしている様子がじわじわと面白い。ノッペラボーという言葉がぴったりで、クーラーやら電気機器やらがごちゃごちゃと満載になっていた485系と対照的である。
線路は下滝までの間に篠山川を3回渡る。第1橋梁と第2橋梁はすぐ近くで連続しており、渓谷の撮影地はこの近くに集まっている。自転車というのはロケハンに最適な乗り物で、すいすいと走りながら近辺をひと通り見て回る。結局、7号は第1橋梁を渡ってくるところを正面打ちすることに決めた。こういう構図はどんどん望遠で攻め込むのが正解なのだが、どうしても大きさのイメージに自信が持てず、いつも中途半端な広角になってしまう。381系もさすがは国鉄型特急電車だけあって相応の貫録を備えているが、485系や583系に比べると何となく女性的というか、柔和な印象を受けるのは面白い。
14号は渓流の北岸にある崖の上から撮ることにした。50度はあろうかという、コンクリートで固められた急斜面なのだが、部分的に工事用の階段のようなものが設置されているので比較的容易に頂上近くまでアプローチできた。高度を稼ぐと、景色はがらりと変わる。光線としては完全に逆光なのだが、何も順光だけが写真の全てではない。望遠で切り取れば、木々はかくも繊細な表情を見せ、そして渓流はかくも険しい地形の中をほとばしっていたのかと、はっと気づかされるのである。山線、福知山線を象徴するような一コマである。
写真(@丹波大山~下滝)
1枚目:川代渓谷をゆく
2枚目:連続曲線を攻略
3枚目:谷を縫う
1338文字
9/10
南矢代1025 → 篠山口1028
福知山線2719M 丹波路快速 クモハ223-6109
レンタサイクルによる移動
撮影(丹波大山~下滝 清掃センター)
3012M[1124] 特急こうのとり12号 381系4連
撮影(丹波大山~下滝 篠山川第1橋梁 正面打ち)
3007M[1209] 特急こうのとり7号 381系4連
撮影(丹波大山~下滝 川代渓谷 俯瞰)
3014M[1324] 特急こうのとり14号 381系4連
・川代渓谷
福知山線は国鉄色381系以外に撮るものが一切ない。収穫が少ないのは仕方ないが、こうのとりにだけ集中していれば良いわけだから気楽ともいえる。まずは篠山口の駅前で電動アシスト付きの自転車を借り、丹波大山~下滝間の川代渓谷を目指して走り出す。道路はアップダウンが激しく、予想以上にくたびれる。ここは電動でなかったらだいぶ厳しいだろう。
最初の撮影地は渓谷南岸の清掃センターへ向かう橋の上である。上りも下りも光線状態は今一つだが、いわゆる定番と呼ばれるスポットで、言ってみれば丹波大山~下滝間の風景を無難にサマライズした感じである。4両編成というのは特急にしては短いが、渓谷の中に収めるとなると案外丁度良いサイズかもしれない。そして俯瞰して初めて気が付くのだが、381系の屋根上が異様にすっきりしている様子がじわじわと面白い。ノッペラボーという言葉がぴったりで、クーラーやら電気機器やらがごちゃごちゃと満載になっていた485系と対照的である。
線路は下滝までの間に篠山川を3回渡る。第1橋梁と第2橋梁はすぐ近くで連続しており、渓谷の撮影地はこの近くに集まっている。自転車というのはロケハンに最適な乗り物で、すいすいと走りながら近辺をひと通り見て回る。結局、7号は第1橋梁を渡ってくるところを正面打ちすることに決めた。こういう構図はどんどん望遠で攻め込むのが正解なのだが、どうしても大きさのイメージに自信が持てず、いつも中途半端な広角になってしまう。381系もさすがは国鉄型特急電車だけあって相応の貫録を備えているが、485系や583系に比べると何となく女性的というか、柔和な印象を受けるのは面白い。
14号は渓流の北岸にある崖の上から撮ることにした。50度はあろうかという、コンクリートで固められた急斜面なのだが、部分的に工事用の階段のようなものが設置されているので比較的容易に頂上近くまでアプローチできた。高度を稼ぐと、景色はがらりと変わる。光線としては完全に逆光なのだが、何も順光だけが写真の全てではない。望遠で切り取れば、木々はかくも繊細な表情を見せ、そして渓流はかくも険しい地形の中をほとばしっていたのかと、はっと気づかされるのである。山線、福知山線を象徴するような一コマである。
写真(@丹波大山~下滝)
1枚目:川代渓谷をゆく
2枚目:連続曲線を攻略
3枚目:谷を縫う
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