第4週

2014年7月25日 留学
第4週
第4週
第4週
停滞
4週目ともなると環境に順応してくる一方、停滞も生じる。やはり感じるのは、先週も言及した「チームの一員として自分の意見や方針を表明する」段階に全く達していないということで、そこには周囲の人間や環境といった外的要因も大きく関与している一方、言葉の壁も厳然と立ちはだかっている。そういうわけで、存在感なく漠然と過ごす一週間になってしまった。あるいは、自らの努力の作用と、外的要因の力が平衡状態に達したと言っても良いかもしれない。

言葉と思考
当たり前のことだがたいていの思考は言葉を介して行われていて、むしろ言葉が思考を支配しているといっても良い。自分の場合は日本語が極めて支配的であるから、英語との間で常に何らかの変換作業を強いられることになる。「医学分野は専門用語が多いので、用語だけでも何とか英語で話が通じる」「言い回しは決まっているので難しくはない」という意見を耳にしたことがある。むろんある程度は正しいのかもしれないが、果たして日本語で行っているのと同じレベルで議論ができているのだろうか。同等に高度な議論を外国語で行うというのがいかに難しいかを日々実感するわけである。

プレゼン
カルテを書いたこともあり、進行性ミオクローヌスてんかんについて簡単なプレゼンをする機会を与えられた。週明けにかけて論文を読み、ハンドアウトと原稿を作る。かなり稀な疾患なので文献も少なく、それほど大変な作業ではなかった。プレゼン自体はほぼ原稿の棒読みにならざるを得ず、「書く論理で話す」という自らの理想から程遠い形になったのだが、まあそれなりに評価はされたようだ。どうやら「書く」と「話す」のバランスは、永遠の課題になりそうである。

ハミルトン・パーク(Hamilton Park)
金曜の実習後、思い立ってニュージャージーへ夜景を撮りに行くことにした。42丁目にあるポートオーソリティ(Port Authority)バスターミナルの212番ゲートから出る128、165、166、168系統のいずれかのバスに乗り、リンカーン(Lincoln)トンネルでハドソン川をくぐってから4つ目のBoulevard East at Eldorado Plというバス停で下車すると、目的地のハミルトン・パークが目の前に現れる。このバスは完全に通期路線で、観光客の姿は見当たらない。公園自体も夜景の穴場といった感じで、暇を持て余した地元民で賑わっている。この夜景スポットは高台にあるため、林立する摩天楼を同じ高さから眺められるのが特徴。また対岸はミッドタウンにあたり、南はロウアー・マンハッタンから、北はモーニングサイド・ハイツ(Morningside Heights)に至るまで、島の全景が一望のもとである。

到着したのは19時20分頃。斜陽から日没、黄昏、そして夜の帳が下りるまで何だかんだ2時間近く居座ってしまった。早いもので、まもなく渡米してから4週間が経とうとしている。宵闇に浮かぶ無数の灯りを見ながら、苦難の日々を振り返る。

写真
1枚目:夕刻の反照
2枚目:ロウアー・マンハッタン
3枚目:ミッドタウン

1438文字

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

日記内を検索