M氏は、ミネアポリスへと帰って行った。これで、ニューヨークに一人である。木曜の朝から今朝までほぼぶっ通しで予定が入っていたので、さすがに疲弊した。再び部屋に戻って、昼過ぎまでぐだぐだと惰眠を貪る。午後は机に向かって日記を書いたりカルテを読んだりしてみるも、何となしに去来する虚しさに苛まれて今ひとつ捗らない。
・ブルックリン
何もせずに一日を過ごすのはもったいないので、夕方は116丁目、コロンビア大学近くの店で軽い夕食をとった後、マンハッタンの夜景がよく見えるというブルックリン・ブリッジ・パークへ足を運ぶことにした。地下鉄1号の緩行線と2・3号の急行線をタイムズ・スクエアで対面で乗り継ぎ、イースト・リバーをくぐった先のクラーク・ストリート(Clark St.)で下車。ここはダンボ(DUMBO: Down Under the Manhattan Bridge Overpass)と呼ばれる一帯にある。目当ての日没の時刻が近かったので街並みを見て回る時間はあまりなかったのだが、全体的に落ち着いた雰囲気で暮らしやすそうな場所である。沿岸にある公園までは駅から徒歩約10分。日曜とあってなかなか賑わっていた。自分と同じく三脚を携え夜景を撮りに来たと思われる人々も多数。
今日の日没は20時29分。残念なことに西の空だけ薄い雲がかかっているが、これはこれで味が出ている。20時40分頃、摩天楼の後ろに広がった雲が鮮やかな茜色に染まる。そして、21時過ぎまでの間は刻一刻と色彩が変化していく。地球の自転を感じるひと時とでも言えば良いのか、この天体は今まさに夜に入ろうとしているわけだ。同時に、ビルの窓にはぽつぽつと灯りがともり始める。空はますます暗くなっていく一方で、宝石のごとき人工の光はその煌めきを一段と増してゆく。やがて辺りがすっかり宵闇に包まれる頃、巨大戦艦のようなマンハッタンの姿がイースト・リバーの対岸に忽然と姿を現したのだった。
写真
1枚目:黄昏
2枚目:夜の始まり
3枚目:生まれ変わったワールド・トレード・センター(World Trade Center)
924文字
・ブルックリン
何もせずに一日を過ごすのはもったいないので、夕方は116丁目、コロンビア大学近くの店で軽い夕食をとった後、マンハッタンの夜景がよく見えるというブルックリン・ブリッジ・パークへ足を運ぶことにした。地下鉄1号の緩行線と2・3号の急行線をタイムズ・スクエアで対面で乗り継ぎ、イースト・リバーをくぐった先のクラーク・ストリート(Clark St.)で下車。ここはダンボ(DUMBO: Down Under the Manhattan Bridge Overpass)と呼ばれる一帯にある。目当ての日没の時刻が近かったので街並みを見て回る時間はあまりなかったのだが、全体的に落ち着いた雰囲気で暮らしやすそうな場所である。沿岸にある公園までは駅から徒歩約10分。日曜とあってなかなか賑わっていた。自分と同じく三脚を携え夜景を撮りに来たと思われる人々も多数。
今日の日没は20時29分。残念なことに西の空だけ薄い雲がかかっているが、これはこれで味が出ている。20時40分頃、摩天楼の後ろに広がった雲が鮮やかな茜色に染まる。そして、21時過ぎまでの間は刻一刻と色彩が変化していく。地球の自転を感じるひと時とでも言えば良いのか、この天体は今まさに夜に入ろうとしているわけだ。同時に、ビルの窓にはぽつぽつと灯りがともり始める。空はますます暗くなっていく一方で、宝石のごとき人工の光はその煌めきを一段と増してゆく。やがて辺りがすっかり宵闇に包まれる頃、巨大戦艦のようなマンハッタンの姿がイースト・リバーの対岸に忽然と姿を現したのだった。
写真
1枚目:黄昏
2枚目:夜の始まり
3枚目:生まれ変わったワールド・トレード・センター(World Trade Center)
924文字
コメント