市内観光 その4
市内観光 その4
市内観光 その4
U氏は、125丁目の交差点からタクシーに乗って空港へ。旅立ちを見届けた後、日中はH氏と共に市内を観光する。

セントラルパーク
8時半に落ち合って、朝のセントラルパークを歩く。天候は快晴で心地良い。池のそばにあるレストハウスで軽い朝食をとる。整然と区画された大都市の中心にこれほど広大な公園があるというのはなかなか面白い。東京都心では、せいぜい新宿御苑くらいだろうか。

メトロポリタン美術館
10時の開館に合わせて入る。まずは教科書通りの内容をということで、『地球の歩き方』に書いてあった「王道作品を半日で鑑賞」という安直なコースに乗っかって観覧する。何だかそれはそれで癪だが、ありがたいアドバイスには従った方が良いw ただ、これらを押さえるだけでもかなり歩き回らねばならず、改めてこの美術館の巨大さを感じる。モネ、マネ、ゴッホ、ゴーギャンあたりはやはり鉄板か。そういえばモネの絵しかない部屋もあった。この辺りの絵は素人にも大変理解しやすく、実にありがたい。

最近思うに、絵を見るときの観点が、写真を撮るときのそれに酷似してきた。同じ光景を写真に撮るとしたら、自分ならどうするだろうと空想するのはなかなか楽しい。あるいは、そもそもなぜその構図を切り取るに至ったのか、画家の思惑に踏み込んでみるのも一興である。絵も写真も、目にした光景と、それを処理した思考過程を有限空間の中に体現したものという点では大いに共通点があるのではないか。

散策
土産物を買って美術館を出たらもう13時前になっていた。マディソン・アベニュー(Madison Ave.)沿いにあるカフェに入ってオムレツを食べる。その後はセントラルパークに戻って南限にあたる59丁目まで園内を通って行くことにする。一大ランドマークであるベセスダ(Bethesda)の噴水は、大勢の人で賑わっていた。しかしベセスダといえば、細胞診のクラス分類が真っ先に思い浮かぶのが悲しい。公園を出た後は、数々のブランドショップを横目に5番街を南下していく。巨大な銀座、表参道に相当するような通りだろうか。マンハッタンは場所によってまるで異なる街の顔になるから面白い。市立図書館前の木陰で少し休んだ後、タイムズ・スクエアへ。前回訪れたのは月曜だったが、今日は土曜ということで凄まじい混雑であった。

ミュージカル
43丁目と8番街の交差点にあるスタバに入り、自由の女神をクルーズで見てきたというM氏と落ち合って3人になる。まだ辺りはかなり明るいが、今のうちに夕食をとっておこうということで、9番街にある適当なレストランに入った。その後、20時からはブロードウェイのミュージカルへ。観劇するのは『シカゴ(Chicago)』。49丁目にあるアンバサダー(Ambassador)劇場へ向かう。場内は意外にも狭かった。ここでも問題になるのはやはり英語で、筋を理解できたのは4割くらいだったか。急速なテンポで繰り広げられる会話とストーリーについていくのはなかなか難しいが、壮大なパフォーマンス、それに歌と音楽があるので雰囲気だけでも十分に楽しめる。いやしかし、よくあんなに歌ったり踊ったりできるものだ。

エンパイア・ステート・ビル
劇場を出たのは22時半だったが、夜はまだ終わらない。人で溢れ返り、数々の電光掲示板が昼間のような明るさで煌めくタイムズ・スクエアを通り抜けた後、34丁目にあるエンパイア・ステート・ビルの展望台を目指した。

入口のエスカレーターで「2時間待ち」という不穏な言葉を耳にする。いや嘘だろうと思って階上へ行ってみると、そこにはディズニーランドのアトラクション待ちのような人の列がぐるぐると巻いている。既にチケットは確保してあったが、それでも相当に時間がかかりそうだ。エクスプレス・パスを持っていればエレベーターまですぐに到達できるようだが、この調子では確かに2時間くらいだろうか。しかしここまで来て諦めるのももったいないので、1時間あまりじっと粘ってようやく、80階へ行くエレベーターに乗ることができた。80階からは86階へ行くエレベーターに乗り換えねばならないのだが、ここでもさらに列が巻いていた。そろそろ絶望しかけていたところ、急遽係員が「階段で行きたい人は階段で行け」と言い出して、開放された階段室に全員が殺到。たまたま良い位置に並んでいたので、あっという間に86階の展望台に到着したのだった。アメリカ人のテキトーさはひどい。

しかし展望は絶景であった。如何せん混雑していたのであまりゆっくり滞在することはできなかったが、東にはクイーンズ(Queens)とブルックリン、南にはロウアー・マンハッタン(Lower Manhattan)の高層ビル群。西にはニュージャージー(New Jersey)の街、そして北には爆心地のように一際明るいタイムズ・スクエア。どの方角を見ても碁盤目状の街路が延々と展開し、その間を埋めるようにビルがぎっしりと建っている。ニューヨーク、マンハッタン島を鳥瞰しながら、夜が更けていった。

H氏をホテルまで送り、タクシーでihouseに戻ったのは2時頃であった。今宵はM氏が泊まる。

写真
1枚目:メトロポリタン美術館
2枚目:タイムズ・スクエア
3枚目:夜景

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