北海道撮影行 3日目 昼
2014年6月5日 鉄道と旅行
隠れた名所に行き着く。
・ふたたび、室蘭の街
レンタカーの返却期限は今日の正午、東室蘭の営業所である。借りたのは苫小牧だが、同じブロック内なので乗捨料金はかからない。北斗星の10分後を追ってくる貨物を副産物として記録に収め、9時過ぎに礼文華のストレートを後にした。のすり氏に運転を交代し、胆振国道を東へ進む。このまま行けば室蘭で1時間半ほど暇になる。何か適当な観光地はないかと検索して出てきたのは、白鳥大橋のたもとにある水族館であった。4年前に近くを通ったときは、結局入ることのなかった場所である。
・室蘭市立水族館
さて、到着した。入館料はたったの300円。平日の昼ということもあり、閑散としている。遠足と思しき小学生の小集団と、2~3組の家族連れのみ。20代の男2人組が一眼を構えて写真を撮りまくる傍ら、赤帽をかぶった小学生諸君はクリップボードを手にして何やら生き物の絵を描かされていた。
屋外のプールには、アザラシとペンギンが暮らしている。動物の写真を撮り始めると本当に切りがない。ゼニガタアザラシは優雅に泳ぎ回るが、ときどきぷはーっと立ち止まる。まるで、湯船に浸かったオッサンのような顔だ。フンボルトペンギンたちは各個体がフリーダムに過ごしていて、背中がかゆいのか羽先でこちょこちょ掻いているやつもいれば、ばしゃばしゃとプールで泳ぎながら激しく体を擦っている者もいる。ゴマフアザラシは怠慢らしく、みな陸に上がりマグロのようにごろごろと転がって寝ていた。ちょうど尻尾を律儀にたたんで壁際につけ、エビフライみたいになっている個体もある。
本館の水槽は意外にも充実していた。かなり小規模な水族館ではあるが、展示している魚はゲテモノ揃いで、どれもかなり珍しい印象を受ける。おどろおどろしい顔をしたオオカミウオ、人魂のようなサケビクニンなど、「何だこれww」という感じの愉快な仲間たちが泳いでいる。とくに寒流コーナーで無表情を決め込むアブラボウズはここのシンボルフィッシュで、何でも全国を探してもこの魚を見られる場所はほとんどないようだ。入場券にも印刷されているからそんなに特別な魚なのかと思い調べてみると、日本で初めて飼育に成功したのがここ室蘭市立水族館とのこと。しかも北海道最古の水族館らしい。2階まで回っている時間がないのが残念だったが、これが全部300円で見られるとは安いものだ。もっと評価されても良いと思う。
11時からはペンギンたちの行進が始まる予定だったので、再び屋外に出てみる。早速、向こうのプールの方から緑色のプロムナードの上をわらわらと歩いてきた。途中には色々な仕掛けが用意されていて、傑作だったのは手作りの白鳥大橋。郷土愛が感じられる。それに、バーを飛び越えたり迷路をくぐったり、餌につられて滑り台を降りたり、イベントは尽きない。しかも障害物を側方からスルーして勝手に歩いていく者や、餌をもらえないまま虚しく滑降していくやつもいて、見ていて面白いことこの上ない。ひたすら笑いながらシャッターを切りまくる。ペンギンたちも一日中プールに監禁されているのはつまらないだろう。毎日こうして運動がてら餌をもらうのは、案外楽しいのかもしれない。
最年長ペンギンだという23歳同い年のヒマワリさん(メス)に挨拶をしてから、11時20分頃、水族館を後にした。願わくば、あと1時間は欲しかった。また室蘭に来ることがあれば、是非再訪したい場所である。
・白昼
帰りは白鳥大橋ではなく、絵鞆半島沿いのバイパスを経由して東室蘭まで戻った。返却前に駅近くのガソリンスタンドで給油する。この3日間の走行距離はおよそ600km。燃料は10目盛り中9つを消費していたが、モコの燃料タンクは合計30リットルだというから、相当に燃費が良い。頑張って走り回ってくれた48時間の相棒にもここで別れを告げねばならない。
昼食は駅近くにある「ふじ亭」という店に入る。定食はどれも安くて量が多い。高校生で賑わっているのもうなずける。14時前まで暇なので、のんびりと昼を食べ、ささやかながら土産物も仕入れつつ時間をつぶした。
写真
1枚目:ゴマフアザラシ
2枚目:フンボルトペンギン
3枚目:アブラボウズ
1906文字
6/5
レンタカーによる移動
室蘭市立水族館
昼食(ふじ亭)
・ふたたび、室蘭の街
レンタカーの返却期限は今日の正午、東室蘭の営業所である。借りたのは苫小牧だが、同じブロック内なので乗捨料金はかからない。北斗星の10分後を追ってくる貨物を副産物として記録に収め、9時過ぎに礼文華のストレートを後にした。のすり氏に運転を交代し、胆振国道を東へ進む。このまま行けば室蘭で1時間半ほど暇になる。何か適当な観光地はないかと検索して出てきたのは、白鳥大橋のたもとにある水族館であった。4年前に近くを通ったときは、結局入ることのなかった場所である。
・室蘭市立水族館
さて、到着した。入館料はたったの300円。平日の昼ということもあり、閑散としている。遠足と思しき小学生の小集団と、2~3組の家族連れのみ。20代の男2人組が一眼を構えて写真を撮りまくる傍ら、赤帽をかぶった小学生諸君はクリップボードを手にして何やら生き物の絵を描かされていた。
屋外のプールには、アザラシとペンギンが暮らしている。動物の写真を撮り始めると本当に切りがない。ゼニガタアザラシは優雅に泳ぎ回るが、ときどきぷはーっと立ち止まる。まるで、湯船に浸かったオッサンのような顔だ。フンボルトペンギンたちは各個体がフリーダムに過ごしていて、背中がかゆいのか羽先でこちょこちょ掻いているやつもいれば、ばしゃばしゃとプールで泳ぎながら激しく体を擦っている者もいる。ゴマフアザラシは怠慢らしく、みな陸に上がりマグロのようにごろごろと転がって寝ていた。ちょうど尻尾を律儀にたたんで壁際につけ、エビフライみたいになっている個体もある。
本館の水槽は意外にも充実していた。かなり小規模な水族館ではあるが、展示している魚はゲテモノ揃いで、どれもかなり珍しい印象を受ける。おどろおどろしい顔をしたオオカミウオ、人魂のようなサケビクニンなど、「何だこれww」という感じの愉快な仲間たちが泳いでいる。とくに寒流コーナーで無表情を決め込むアブラボウズはここのシンボルフィッシュで、何でも全国を探してもこの魚を見られる場所はほとんどないようだ。入場券にも印刷されているからそんなに特別な魚なのかと思い調べてみると、日本で初めて飼育に成功したのがここ室蘭市立水族館とのこと。しかも北海道最古の水族館らしい。2階まで回っている時間がないのが残念だったが、これが全部300円で見られるとは安いものだ。もっと評価されても良いと思う。
11時からはペンギンたちの行進が始まる予定だったので、再び屋外に出てみる。早速、向こうのプールの方から緑色のプロムナードの上をわらわらと歩いてきた。途中には色々な仕掛けが用意されていて、傑作だったのは手作りの白鳥大橋。郷土愛が感じられる。それに、バーを飛び越えたり迷路をくぐったり、餌につられて滑り台を降りたり、イベントは尽きない。しかも障害物を側方からスルーして勝手に歩いていく者や、餌をもらえないまま虚しく滑降していくやつもいて、見ていて面白いことこの上ない。ひたすら笑いながらシャッターを切りまくる。ペンギンたちも一日中プールに監禁されているのはつまらないだろう。毎日こうして運動がてら餌をもらうのは、案外楽しいのかもしれない。
最年長ペンギンだという23歳同い年のヒマワリさん(メス)に挨拶をしてから、11時20分頃、水族館を後にした。願わくば、あと1時間は欲しかった。また室蘭に来ることがあれば、是非再訪したい場所である。
・白昼
帰りは白鳥大橋ではなく、絵鞆半島沿いのバイパスを経由して東室蘭まで戻った。返却前に駅近くのガソリンスタンドで給油する。この3日間の走行距離はおよそ600km。燃料は10目盛り中9つを消費していたが、モコの燃料タンクは合計30リットルだというから、相当に燃費が良い。頑張って走り回ってくれた48時間の相棒にもここで別れを告げねばならない。
昼食は駅近くにある「ふじ亭」という店に入る。定食はどれも安くて量が多い。高校生で賑わっているのもうなずける。14時前まで暇なので、のんびりと昼を食べ、ささやかながら土産物も仕入れつつ時間をつぶした。
写真
1枚目:ゴマフアザラシ
2枚目:フンボルトペンギン
3枚目:アブラボウズ
1906文字
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