北海道撮影行 1日目 夜
北海道撮影行 1日目 夜
北海道撮影行 1日目 夜
工場夜景を撮る。
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レンタカーによる移動

室蘭夜景撮影

東室蘭泊(漫画喫茶 フリースタイル)

室蘭の夜
農場道路踏切を後にして、室蘭の街に戻ってきた。のすり氏の案内で、日没後は夜景撮影を楽しむ。何しろ車でないとアクセスできない場所が多いので、まさに今回は絶好の機会といえる。絵鞆半島の祝津公園も含め合計5地点を回ったのだが、19時半頃に開始した撮影が終わったのは、実に日付をまたいだ0時過ぎであった。平均して各地点に1時間ほどかけた計算になる。今まで積極的に撮ることはあまりなかったのだが、なぜだろう、夜景というのはそれほどに奥深い。

鉄道写真ならば、いわば教科書的、黄金比的な一定の「型」が存在し、あとはどれほど動体を予測できるか、そして感性を反映させられるかということになるのだが、夜景、ことに工場夜景の場合はいくらでも構図の切り取りようがあり、撮っても撮っても本当に切りがない。こんなのも良い、あんなのも良い、の連続なので、並んで撮影していても「隣の芝生は青い」状態で、どんどん新しいアングル、露出、色温度を試したくなってくる。被写体は目の前で静止しているにもかかわらず、である。きっとこの無限性に魅せられる人が多いのだろうし、実際、今回の自分もそうであった。

大きく全景を写してみたり、うんと望遠で解剖学的な構造を探求してみたり、撮影の楽しみは尽きない。宵闇に散りばめられた無数の明かりと、林立するプラントの奇妙な造形はさながら宇宙都市を見ているようであり、刻々と沈みゆくオレンジ色の妖しい三日月も素晴らしいアクセントであった。そしてコールラウシュの屈曲点を過ぎると、さらに色々な細部と、極めて複雑なネットワークが見えてくる。循環器系、呼吸器系、神経系、筋骨格系に相当する構造物が存在し、「無機的な有機体」たる工場が確かに生きていることを実感する。人工的に生み出された巨大な生物が、生命の輝きを放ちながら深呼吸を繰り返しているかのようだ。しかし、鍾乳洞を見ているときとはまた一味違った、奇異な感動である。それは、工場が自然の摂理の生み出したものではないからだろうか。機械的、化学的な模倣を行う限りは生命そのものを作り出すことができないという真理を、この工場夜景が暗示しているようにも思えたのだった。

仮眠
下調べしておいた漫画喫茶に到着したのは0時40分頃。幸いファミリールームという広い部屋が空いていた。朝は3時過ぎには出発するので、シャワーを浴びたり夜食を食べたりしていたらもう1時間半くらいしか眠れる時間が残されていない。固いカーペットの床に横になり、しばしの仮眠に就く。

写真
1枚目:JX日鉱日石 室蘭製油所
2枚目:妖しい夜が更けてゆく
3枚目:闇に浮かぶ戦艦

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