しまなみ海道

2014年1月9日 大学
しまなみ海道
しまなみ海道
しまなみ海道
ついに最後の診療科。

小児外科
正月ボケからのリハビリとしてはちょうど良い密度のスケジュール。しかも金曜と月曜が祝日で間に4連休が挟まるので、実質8日間しかない。腎内代から始まり、全班の中で最も早く内科が終わり、年末にかけて産婦と小児がなだれ込み、年明けはのんびり小児外という我々のローテーション、なかなか恵まれているような気がする。これから婦人科を回る班は本当にお疲れさまとしか言いようがない。

なぜか出席を取るというシステムがほぼ存在しないため、回診もオペもほとんど行かなかったという猛者の話も耳に挟んではいたが、真面目なわが班は全出席w 何だかんだ、般外と同じくらいの密度でオペに入ったように思う。木曜の外病院も一日だけとはいえ、充実していた。毎朝の回診も教育的だったし、もっと自主的に学ぶ姿勢があればさらに面白かったと思う。ポリクリというのはたいてい1週目の前半に色々と頑張って、あとはその惰性といっては語弊があるが、流れでころころと転がっていくものだ。

そして、インド人留学生の登場w 多くの時間、我々と行動を共にすることになったのだが、自分の英語力のなさを痛感した。かわいそうだったのは、回診も何もかもすべてが日本語なので、彼は何も理解できないという点。したがって、つたない翻訳をしてその都度内容を教えることになる。しかし、簡単な医学用語がなかなか出てこない。それに、手術操作の表現方法もよく分からない。とにかく、話したいことが話せないのである。

インドの医学教育では、英語の教科書を使い、英語で講義が行われ、英語で会話をする。そもそも医学に限らず、ある程度の教育を受けた人はたいてい英語が話せるという。一方で我々日本人はといえば、ほとんど全てを日本語で勉強することができるため、ともすれば英語に触れずとも事足りてしまう。

全てを日本語で学べるというのは素晴らしい一面ではあるが、国際的な視点からすれば、対応する英語表現をいちいち覚えなければならないという二度手間を余儀なくされる。彼が言っていたことを例にとると、たとえば"iris"は"iris"であって、これを意味するヒンズー語はないらしいが、日本語では「虹彩」という名前がついている。また彼が驚いていたのは、あらゆる医学用語や病名に日本語の翻訳が対応しているという点。"infarction"は「梗塞」、"ulcer"は「潰瘍」、"fistula"は「瘻孔」。"necrotizing enterocolitis"は「壊死性腸炎」、"hyperthyroidism"は「甲状腺機能亢進症」、"insomnia"は「不眠症」。こんなことは当たり前のように思われるが、あらゆる言葉にまともな訳語があてられているというのは偉大な先人達の努力によるものだと実感する。しかしそれは諸刃の剣で、学問の理解としては完全に日本語ベースになる。我々はそれに上乗せする形で、英語を永久に学んでいかねばならないわけだ。

写真:尾道市街
黄色一色の普通列車が走り去っていきます。

1336文字

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

日記内を検索