日本海旅行 3日目 Part 3
2013年12月29日 鉄道と旅行
南へ転戦。
・深浦海岸
追良瀬1155発の2826Dもバス代行となると、いよいよ撮るものがなくなった。次にここを通る列車は1535発の2830Dである。
深浦~鰺ヶ沢間は普通列車が1日5往復のみで、今日のようにそのうち1往復がバス代行になるだけで撮影には大打撃となる。午後は方針を転換し、2826Dの代行バスに乗って深浦まで出た後、南側の深浦~横磯間で3本の列車を狙うことにした。驫木や塩見崎、追良瀬のような雄大な景色は期待できないが、夏にここを訪れたことのあるのすり氏のガイドで撮影地を探索する。代行バスは5分ほど遅れて現れたが、終着の深浦までに遅延が拡大することはなかった。乗客は10人もいなかったか。こういった状況ならば全ての列車をバスで代行でき、必ずしも鉄道がいらないということになってしまう。
深浦を出た五能線は小さな入り江の深浦港を見下ろしながら、横磯までの間に5本のトンネルをくぐる。まずは深浦から2本目のトンネルを出た下り321Dを正面から撮影。101号線から山側へ分岐する坂道があり、その途中、ガードレールをまたいだ場所からやや俯瞰気味に縦構図で切り取る。左手の枯れ藪が邪魔だったので撮影前にしばらく刈り作業を行ったところ、撮りやすい景色になった。何の変哲もない、キハ40系列の編成写真といったところである。
次なる撮影地は、深浦から4本目と5本目のトンネルを通して見渡せる場所。小さな川沿いに県道192号線を山側へと歩き、民家の裏にある小高い藪から逆S字カーブの線路と二重のトンネルを望遠する。しかし列車は上りなので後追い。後追いの撮影というのは構図を固めても直前に全視界を遮られるので、三脚でも立てない限りなかなか難度が高いのだ。列車は東能代側にタラコ色を連結した3両編成でやってきた。画面右下の隅に右側の線路を合わせたかったのだが、少しずれてしまった。しかし尾灯を光らせてトンネルに吸い込まれていく姿は面白い。
ところで、そばの民家にいた飼い犬は実に人懐っこい奴であった。我々の姿を見るなり、小屋から出てきて臭いをかぎ回ったり飛びついたりしてくる。列車は1時間強の間隔で通過するためあまり余裕はなかったが、しばしの撮影を楽しむ。白い雪道をバックに動物を撮ると、輪郭がくっきりと強調される。しかし、当たり前のことだが鉄道撮影と違って動きが全く読めないので、良い写真を撮るにはかなり苦労した。さて、そろそろ立ち去ろうとすると、見るからに悲しげな顔つきになる。犬も分かっているのだろう。毎日相当に暇なものだから、たまに見かけるヒトの姿が嬉しくてたまらないのかもしれない。
最後の撮影地は、101号線をひたすら横磯方面へと歩いた場所。地図によれば岡崎大間という地名がついていて、道路がカーブした先はもう横磯の駅である。一軒だけある民家の向かい側、松の木が飄々と佇む辺りから、ガードレールに乗っかって海を入れつつ上り列車をサイドから撮影した。高さというのは構図に大きな影響を与える要素で、1メートルも足場が高くなれば手前の障害物はずいぶんとカットされ、景色もがらりと変わる。高い脚立に登ったり、あるいは隣の松の木に登ったりすればだいぶ様子も違ったのだろうが、この状況ではガードレールに乗るのが精一杯であった。
写真
1枚目:アウトカーブ
2枚目:二重のトンネルに吸い込まれる
3枚目:夕刻の海を横目に
1689文字
12/29
追良瀬1200(+5) → 深浦1210(+5)
五能線2826D 代行バス
撮影(トンネル その1):
321D[1238] 普通列車(キハ40 2連)
撮影(トンネル その2):
326D[1334] 普通列車(キハ40 2連)
撮影(岡崎大間):
328D[1450] 普通列車(キハ40 2連)
・深浦海岸
追良瀬1155発の2826Dもバス代行となると、いよいよ撮るものがなくなった。次にここを通る列車は1535発の2830Dである。
深浦~鰺ヶ沢間は普通列車が1日5往復のみで、今日のようにそのうち1往復がバス代行になるだけで撮影には大打撃となる。午後は方針を転換し、2826Dの代行バスに乗って深浦まで出た後、南側の深浦~横磯間で3本の列車を狙うことにした。驫木や塩見崎、追良瀬のような雄大な景色は期待できないが、夏にここを訪れたことのあるのすり氏のガイドで撮影地を探索する。代行バスは5分ほど遅れて現れたが、終着の深浦までに遅延が拡大することはなかった。乗客は10人もいなかったか。こういった状況ならば全ての列車をバスで代行でき、必ずしも鉄道がいらないということになってしまう。
深浦を出た五能線は小さな入り江の深浦港を見下ろしながら、横磯までの間に5本のトンネルをくぐる。まずは深浦から2本目のトンネルを出た下り321Dを正面から撮影。101号線から山側へ分岐する坂道があり、その途中、ガードレールをまたいだ場所からやや俯瞰気味に縦構図で切り取る。左手の枯れ藪が邪魔だったので撮影前にしばらく刈り作業を行ったところ、撮りやすい景色になった。何の変哲もない、キハ40系列の編成写真といったところである。
次なる撮影地は、深浦から4本目と5本目のトンネルを通して見渡せる場所。小さな川沿いに県道192号線を山側へと歩き、民家の裏にある小高い藪から逆S字カーブの線路と二重のトンネルを望遠する。しかし列車は上りなので後追い。後追いの撮影というのは構図を固めても直前に全視界を遮られるので、三脚でも立てない限りなかなか難度が高いのだ。列車は東能代側にタラコ色を連結した3両編成でやってきた。画面右下の隅に右側の線路を合わせたかったのだが、少しずれてしまった。しかし尾灯を光らせてトンネルに吸い込まれていく姿は面白い。
ところで、そばの民家にいた飼い犬は実に人懐っこい奴であった。我々の姿を見るなり、小屋から出てきて臭いをかぎ回ったり飛びついたりしてくる。列車は1時間強の間隔で通過するためあまり余裕はなかったが、しばしの撮影を楽しむ。白い雪道をバックに動物を撮ると、輪郭がくっきりと強調される。しかし、当たり前のことだが鉄道撮影と違って動きが全く読めないので、良い写真を撮るにはかなり苦労した。さて、そろそろ立ち去ろうとすると、見るからに悲しげな顔つきになる。犬も分かっているのだろう。毎日相当に暇なものだから、たまに見かけるヒトの姿が嬉しくてたまらないのかもしれない。
最後の撮影地は、101号線をひたすら横磯方面へと歩いた場所。地図によれば岡崎大間という地名がついていて、道路がカーブした先はもう横磯の駅である。一軒だけある民家の向かい側、松の木が飄々と佇む辺りから、ガードレールに乗っかって海を入れつつ上り列車をサイドから撮影した。高さというのは構図に大きな影響を与える要素で、1メートルも足場が高くなれば手前の障害物はずいぶんとカットされ、景色もがらりと変わる。高い脚立に登ったり、あるいは隣の松の木に登ったりすればだいぶ様子も違ったのだろうが、この状況ではガードレールに乗るのが精一杯であった。
写真
1枚目:アウトカーブ
2枚目:二重のトンネルに吸い込まれる
3枚目:夕刻の海を横目に
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