晩秋の烏山線 Part 4
2013年11月24日 鉄道と旅行
斜光線に照らされて。
・小塙~滝 猿久保田んぼの公園
早いもので、あと4本を残すのみとなった。今日の日没は16時27分、既に辺りは黄色い斜光線に包まれ始めている。滝方面へ10分ほど歩くと、急に景色が山っぽくなる。この一帯は「猿久保田んぼの公園」として整備されており、周囲とはやや隔絶された風景が広がる。森田踏切から見る背景の林は赤褐色とも茶褐色ともつかない枯れた色をして燃え盛っており、浅い角度で入ってくる太陽光線も相まって妖艶な輝きを放っている。最初の上り列車は、獣道を少し登ったところから小俯瞰。紅葉の森を大々的に取り入れ、アウトカーブの線路は画面の右端に小さく配するのみとした。日陰からぬっと姿を現した烏山色のキハ40は、単調な色彩に鋭く刺し込んで存在感を見せた。通過前に強風が吹き、落葉がひらひらと舞ったのも幻想的であった。
・小塙~滝 森田踏切
次の下り列車は森田踏切から後追いにて撮影。ここまで見事な紅葉であれば、もはやどのような撮り方をしても絵になる。キハ40の前面ディテールがぴったりと合焦し、斜光線に浮かび上がった。烏山で折り返してくる列車はどこで撮ろうか、だいぶ思案した。駅まで戻って小塙踏切も試してみようかと思ったが、結局再び森田踏切で迎え撃つことにする。残念ながら景色の奥はすでに日陰で暗くなってしまったが、カーブを曲がってから踏切へ向かってくるストレート区間は黄色い光に染まっていた。ここだけ景色を切り取れば、まるで北海道の山線のようだ。
網膜に映った像をどう解釈したか。その解釈の結果こそが、撮像素子に結像する全てである。写真は塗り絵でもなければ、イラストでもない。写真は、視覚野へ投射された信号全体を「解釈」した結果だと考えている。解釈を反映する手段としてレンズがあり、撮像素子があり、処理エンジンがある。だからこそ構図は大切だし、色彩もそれに次いで重要な意味をもつ。
・小塙~滝 小塙踏切
最後の下り列車は、駅近くの小塙踏切から。タッチの差で太陽が稜線に沈み、いわゆるエロ光線は失われてしまったw 淡い黄昏の中、列車は寂しげに尾灯を光らせてカーブの築堤を駆けてゆく。
これにて撮影は終了。帰りは東北本線で唯一の茨城県内の駅、古河で下車。駅前のラーメン屋で夕食をとりながら、年末の計画を練った。
写真(@小塙~滝)
1枚目:落葉舞う中をゆく
2枚目:燃える山に向かって
3枚目:夕刻
1639文字
11/24
撮影(小塙~滝 猿久保田んぼの公園):
336D[1407] 普通列車 キハ40 1001+キハ40 1002
撮影(小塙~滝 森田踏切):
335D[1424] 普通列車 キハ40 1008+キハ40 100x
338D[1538] 普通列車 キハ40 1008+キハ40 100x
撮影(小塙~滝 小塙踏切):
337D[1553] 普通列車 キハ40 1001+キハ40 1002
小塙1647 → 宇都宮1736
烏山線・東北本線340D
宇都宮1739 → 古河1824
東北本線662M
古河 → 赤羽
東北本線
赤羽 → 新宿
埼京線
新宿 → 信濃町
中央・総武線各駅停車
・小塙~滝 猿久保田んぼの公園
早いもので、あと4本を残すのみとなった。今日の日没は16時27分、既に辺りは黄色い斜光線に包まれ始めている。滝方面へ10分ほど歩くと、急に景色が山っぽくなる。この一帯は「猿久保田んぼの公園」として整備されており、周囲とはやや隔絶された風景が広がる。森田踏切から見る背景の林は赤褐色とも茶褐色ともつかない枯れた色をして燃え盛っており、浅い角度で入ってくる太陽光線も相まって妖艶な輝きを放っている。最初の上り列車は、獣道を少し登ったところから小俯瞰。紅葉の森を大々的に取り入れ、アウトカーブの線路は画面の右端に小さく配するのみとした。日陰からぬっと姿を現した烏山色のキハ40は、単調な色彩に鋭く刺し込んで存在感を見せた。通過前に強風が吹き、落葉がひらひらと舞ったのも幻想的であった。
・小塙~滝 森田踏切
次の下り列車は森田踏切から後追いにて撮影。ここまで見事な紅葉であれば、もはやどのような撮り方をしても絵になる。キハ40の前面ディテールがぴったりと合焦し、斜光線に浮かび上がった。烏山で折り返してくる列車はどこで撮ろうか、だいぶ思案した。駅まで戻って小塙踏切も試してみようかと思ったが、結局再び森田踏切で迎え撃つことにする。残念ながら景色の奥はすでに日陰で暗くなってしまったが、カーブを曲がってから踏切へ向かってくるストレート区間は黄色い光に染まっていた。ここだけ景色を切り取れば、まるで北海道の山線のようだ。
網膜に映った像をどう解釈したか。その解釈の結果こそが、撮像素子に結像する全てである。写真は塗り絵でもなければ、イラストでもない。写真は、視覚野へ投射された信号全体を「解釈」した結果だと考えている。解釈を反映する手段としてレンズがあり、撮像素子があり、処理エンジンがある。だからこそ構図は大切だし、色彩もそれに次いで重要な意味をもつ。
・小塙~滝 小塙踏切
最後の下り列車は、駅近くの小塙踏切から。タッチの差で太陽が稜線に沈み、いわゆるエロ光線は失われてしまったw 淡い黄昏の中、列車は寂しげに尾灯を光らせてカーブの築堤を駆けてゆく。
これにて撮影は終了。帰りは東北本線で唯一の茨城県内の駅、古河で下車。駅前のラーメン屋で夕食をとりながら、年末の計画を練った。
写真(@小塙~滝)
1枚目:落葉舞う中をゆく
2枚目:燃える山に向かって
3枚目:夕刻
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