旅の終わり。
・帰路
長旅であった。いよいよ帰路につく。昼過ぎの飛行機に乗る予定なので、今日は荷造りをしてから空港へ向かうだけである。シャルル・ド・ゴールを離陸した機体はぐいぐいと高度を上げていく。やがて、機窓の眼下にはまばゆいばかりの白い雲海。そして上方を見上げると、少し黒みがかった、深い青色の世界が広がる。しかし、あと10時間も経てばまた日常の世界が待っている。それを予見して、というのはあまりにおかしい言い方だが、今のうちに片付けられる仕事には早めに取り組んでおこう。睡眠時間をだいぶ削って、ようやく弓道部テストの作問が完了した。ワインが回ったのでしばし仮眠する。
パリ時間の22時頃、離陸から8時間半あまりで夜が明けてきた。水色、紫色、灰色が不思議に溶け合った色が、雲と空の境界に広がる。朝日は機体左側の窓から差し込んできた。時差を飛び越えて、新しい一日の始まりである。ところで改めて思うに、こんな金属の塊がよくぞ空を飛ぶものだ。銀の翼を広げて、機体は悠々とユーラシア大陸の上空を泳いでいる。
成田に降り立った後は、バスで家路についた。今日は風が強く、また黄砂のせいかひどく埃っぽい。気がつけば3月18日。走り抜けてきた旅路は、ここに終着である。
写真
1枚目:雲海を飛ぶ
2枚目:黎明の空
3枚目:霞ヶ浦を渡る
753文字
3/17 → 3/18
Paris Charles de Gaulle(CDG)1335(GMT+1)
→ 東京・成田(NRT)910(GMT+9)
エールフランス航空276便(AF276)
・帰路
長旅であった。いよいよ帰路につく。昼過ぎの飛行機に乗る予定なので、今日は荷造りをしてから空港へ向かうだけである。シャルル・ド・ゴールを離陸した機体はぐいぐいと高度を上げていく。やがて、機窓の眼下にはまばゆいばかりの白い雲海。そして上方を見上げると、少し黒みがかった、深い青色の世界が広がる。しかし、あと10時間も経てばまた日常の世界が待っている。それを予見して、というのはあまりにおかしい言い方だが、今のうちに片付けられる仕事には早めに取り組んでおこう。睡眠時間をだいぶ削って、ようやく弓道部テストの作問が完了した。ワインが回ったのでしばし仮眠する。
パリ時間の22時頃、離陸から8時間半あまりで夜が明けてきた。水色、紫色、灰色が不思議に溶け合った色が、雲と空の境界に広がる。朝日は機体左側の窓から差し込んできた。時差を飛び越えて、新しい一日の始まりである。ところで改めて思うに、こんな金属の塊がよくぞ空を飛ぶものだ。銀の翼を広げて、機体は悠々とユーラシア大陸の上空を泳いでいる。
成田に降り立った後は、バスで家路についた。今日は風が強く、また黄砂のせいかひどく埃っぽい。気がつけば3月18日。走り抜けてきた旅路は、ここに終着である。
写真
1枚目:雲海を飛ぶ
2枚目:黎明の空
3枚目:霞ヶ浦を渡る
753文字
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