天竜川

2012年12月31日 日常
天竜川
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年初に掲げていた目標:

大局的な視点から、ストレートでシンプルな美しさを目指す

果たしてこれは実現されたか。大局的な視点は、ごくごくわずかながら涵養できたのではないかとも思う。しかしストレートでシンプルな美しさ、巻絡していた紐がするりと解けるような単純明快な感じ、やはりこれはなかなか難しい。ただストレートであることのみが善いのではないし、またシンプルさばかりを追い求めていれば、何もかもが味気なくなってしまい、潤いを喪失してしまう。今年は、この点を後悔している。

抽象的なことばかりを書いていても仕方ないので、少しは具体的なことを振り返ってみる。

学業
ひたすら試験前に詰め込んでいただけで、残念ながら生きた知識というものがほとんど身についていない、ような気がする。講義に出席せずともデュプロを読めば試験は通る、というのは確かに正しいが(と言いつつ「小児の症候論」落ちたがww)、結局のところ、講義に出ようが出まいが、デュプロを読もうが読むまいが、生きた知識というものを自らの努力によって獲得する過程は避けて通れない。まあ、何を以って「生きた」というのかは難しい。ただ暗記しているだけでもそれはそれでれっきとした知識なわけだ。しかし、単なるエタノールと、磨き上げられた純米大吟醸酒を比べるわけにはいかない。そもそも両者は別次元のものであって、比較の対象ではない。大体はそれと同じ話で、いかに苦労し、いかに手間をかけたかということは、どういった形であれ必ず結果に反映されてくると考える。

弓道
相変わらず矢数はかけた。やはり、泥臭くやるしかない。結果という結果は何も残していないが、この一年でようやく、弓にどう向き合えば上手くいくのか、ということが少し見えたような気がする。それは、弓という鏡に映し出された自分のありさまを、いくぶんか冷静に分析できるようになったということである。東医体後からは主将を務める。傲慢ながらも「書く論理」を実践し、心から語りかけてきたつもりではある。秋シーズンの序盤で予科が大躍進したときは本当に嬉しかったが、学部の試合が始まると、自分の射や成績のことで頭を占拠される時間がしばしばあり、自己犠牲を払っても部を、部員をまとめねばならないという思いと葛藤しつつも、あまり満足に後輩の指導に携われなかったことは本当に残念だったと思っている。しかしこの経験を通して、周りを見る、周りに気を配る、そういう人間として当然の視点を改めて認識することとなった。これまでは、見えているつもりでも実は見えていなかったのだ。

旅行
遠征といえば、北東北、フランス、佐渡島。まとまった時間を取る機会がだんだんなくなってくるとは言われているから、もっと無理をして色々な旅程を詰め込んでも良かったのかという気がしてくる。単発の撮影行では、羽越本線、久留里線、秩父鉄道。いよいよ撮るものが少なくなってきたが、まだまだ行けていないところは山ほどある。それに旅行というのは自らの内面に向き合う重要な場であるという考えに変わりはなく、行先が尽きる、ということは生涯かかってもおそらくないだろう。旅の行先がなくなった、というのは即ち死の瞬間である。「時間ができたときに行く」という考えでは、結局いつまで経っても行くことがない。あらゆる一瞬は一期一会なのであって、思い立ったときに行けないと永遠の別れとなってしまう。このことを肝に銘じ、悔いのないように手帳を埋めていきたいところである。

関係性
これまでは、「振り返る」といえば、専ら自分のみにスポットライトを当てて、自らの感覚、知覚、思考、感情、経験、行動を顧みることしかしてこなかった。そういう、深い井戸を掘るような内省というのも大切だが、今自分がどこに居て、どういう水脈を見渡しているのか、周囲の地形や気候はどうなっているのか、などということに積極的な注意や関心を払わずしては、得られるものは驚くほど少ない。つまり、自らを取り巻く人間や環境との関係性、という視点を持たねばならない。注意や関心の対象が偏り過ぎている、ということはかねてから自覚してきた。どうでも良いことに異様な注意を払いながら、肝心な場所に注意が行き届いていない。関心のあるものにはとことん執着する一方で、関心のないものは存在しないのと同じことになってしまう。家族はもとより、長らく同じ時間を過ごしている友人は、それが分かるのではなかろうか。

外苑前に移って以来、そういったことを強く感じるようになった。自分の性質に向き合い、色々と考える時間ができたと言っても良い。関係性に対する反省、である。先月の誕生日にも少し考えたことではあったが、来年はこの部分について見識を深め、人間的な成長を遂げたいと願う次第である。

大晦日
贈り物でもらった、〆張鶴のしぼりたて生酒を開栓。2012年の日記は年内に全て更新を終えるつもりが、またもや日付が変わってしまったw

写真:飯田線車窓
エメラルドグリーンの渓流。

2342文字

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