晩夏の久留里線 Part 3
2012年9月19日 鉄道と旅行 コメント (2)
国鉄色、再登場。
・待ちに待ったシャッター
天候は断続的な雨、キハ30はといえば朝方に一往復を見届けたのみで、しかも午後はグレーゾーンをさまよって肉体的のみならず精神的にもかなり来るものがあった。15時前に木更津を出区するA13運用にキハ30が入ってくれることを祈りつつ、再び平山方面へ向かってロケハンを開始する。
Q地点: 先ほどの第一天津街道踏切から500mほど進むと、産女踏切に至る。ここは下り列車が順光でよく撮れる場所なのだが、今春のダイヤ改正を経てキハ30が木更津側に連結されるようになったため、次の937Dは後追いで決めるしかない。踏切を渡った先を右折し、線路沿いの畦道を歩く。線路は平山方面に向かった急な坂を下っていき、やがて右側にカーブしながらそれてゆく。そのカーブの始まりあたりの畦道上に、直線の線路を遠くまで見渡せる場所があるので、ここでスタンバイすることにした。後ろから列車が接近してくるときは緊張したが、予想通りキハ30が入っていて胸をなで下ろす。草むした線路をトコトコと走ってゆく姿は健気である。
R地点: 産女踏切からさらに500mほど先へ行くと、今度は跨線橋に至る。ここからは下り、上りとも俯瞰構図で撮ることができる。下りは直線、上りはアウトカーブ。景色の雄大さこそ全く異なるが、宗谷本線の抜海~南稚内の有名撮影地を彷彿させる場所で、線路以外には緑色しか見当たらないのが独特の風景。やはり「物は撮りよう」であり、上手く切り取れば、さっきまで田園地帯を走っていた路線とはとても思えないほどの山奥感を出すことができる。やがてやってきた942Dは今回の撮影行でのベストショットとなった。カクカクした箱型の車両が急カーブを駆けるという面白さ。直線と曲線が織りなす絶妙な造形美が、溢れんばかりの周囲の緑色、そして国鉄色のビビッドなツートンカラーに彩られて画面上に花咲いた。
S地点:上総松丘駅へ向かう道の途中から939Dを適当に撮影。キハ37、キハ38といえども、選り好みせず撮っていきたい。久留里線は首都圏にありながら、進化の波に取り残されたガラパゴスのような場所である。
・黄昏から日没へ
夕方の上り列車で上総松丘を去る。A13にキハ30が入ったということは、次に下って来るA31+A13の943Dは、木更津側にキハ30が2両連なる編成となる。これは是非撮っておきたいと思いつつも、残念ながら日没が近く十分な露出を稼げそうにない。昼間に車中から観察していた様子だと、馬来田あたりで停車中の姿をカメラに収めるのが良さそうだということで、ここで下車する。これだけ雨がしつこく降った一日だったからか、突如車窓に燃え盛った夕焼けは息をのむ美しさであった。東側の空にはわずかながら虹もかかり、我々を祝福しているかのようである。
駅すぐそばの馬来田踏切から、構内に停車する列車をスローシャッターで撮影。側面には灯りが回らず、キハ30が2連になっていることが今ひとつ判然としない写真になってしまったが、大勢の乗降客がホームを行き交う姿も収めることができたので良しとしよう。これにて今日の撮影は終了である。
夜は木更津で飲んで帰る。どうもお疲れさまでした。夕方以降の撮影がとくに充実していた。そんなに遠い場所ではないから、晩秋あたりにもう一度訪れてみるのも良いかもしれない。
写真
1枚目:山奥へ入ってゆく(@平山~上総松丘 Q地点)
2枚目:老気動車の咆哮(@平山~上総松丘 R地点)
3枚目:地域に密着した輸送(@馬来田)
2090文字
9/19
撮影(平山~上総松丘間 Q地点):
937D[1547] キハ30 62+キハ38 1002(A13)
撮影(平山~上総松丘間 R地点):
942D[1621] キハ30 62+キハ38 1002(A13)
撮影(平山~上総松丘間 S地点):
939D[1645] キハ38 4+キハ38 1001(A11)
上総松丘1720 → 馬来田1749
久留里線944D キハ38 1001
撮影(馬来田踏切):
943D[1810-1811]
キハ30 98+キハ30 62+キハ38 1002(A31+A13)
馬来田1846 → 木更津1913
久留里線946D キハ38 1
木更津2121 → 千葉2201
内房線・外房線1144M
千葉2204 → 新日本橋2242
総武本線2210F 快速
・待ちに待ったシャッター
天候は断続的な雨、キハ30はといえば朝方に一往復を見届けたのみで、しかも午後はグレーゾーンをさまよって肉体的のみならず精神的にもかなり来るものがあった。15時前に木更津を出区するA13運用にキハ30が入ってくれることを祈りつつ、再び平山方面へ向かってロケハンを開始する。
Q地点: 先ほどの第一天津街道踏切から500mほど進むと、産女踏切に至る。ここは下り列車が順光でよく撮れる場所なのだが、今春のダイヤ改正を経てキハ30が木更津側に連結されるようになったため、次の937Dは後追いで決めるしかない。踏切を渡った先を右折し、線路沿いの畦道を歩く。線路は平山方面に向かった急な坂を下っていき、やがて右側にカーブしながらそれてゆく。そのカーブの始まりあたりの畦道上に、直線の線路を遠くまで見渡せる場所があるので、ここでスタンバイすることにした。後ろから列車が接近してくるときは緊張したが、予想通りキハ30が入っていて胸をなで下ろす。草むした線路をトコトコと走ってゆく姿は健気である。
R地点: 産女踏切からさらに500mほど先へ行くと、今度は跨線橋に至る。ここからは下り、上りとも俯瞰構図で撮ることができる。下りは直線、上りはアウトカーブ。景色の雄大さこそ全く異なるが、宗谷本線の抜海~南稚内の有名撮影地を彷彿させる場所で、線路以外には緑色しか見当たらないのが独特の風景。やはり「物は撮りよう」であり、上手く切り取れば、さっきまで田園地帯を走っていた路線とはとても思えないほどの山奥感を出すことができる。やがてやってきた942Dは今回の撮影行でのベストショットとなった。カクカクした箱型の車両が急カーブを駆けるという面白さ。直線と曲線が織りなす絶妙な造形美が、溢れんばかりの周囲の緑色、そして国鉄色のビビッドなツートンカラーに彩られて画面上に花咲いた。
S地点:上総松丘駅へ向かう道の途中から939Dを適当に撮影。キハ37、キハ38といえども、選り好みせず撮っていきたい。久留里線は首都圏にありながら、進化の波に取り残されたガラパゴスのような場所である。
・黄昏から日没へ
夕方の上り列車で上総松丘を去る。A13にキハ30が入ったということは、次に下って来るA31+A13の943Dは、木更津側にキハ30が2両連なる編成となる。これは是非撮っておきたいと思いつつも、残念ながら日没が近く十分な露出を稼げそうにない。昼間に車中から観察していた様子だと、馬来田あたりで停車中の姿をカメラに収めるのが良さそうだということで、ここで下車する。これだけ雨がしつこく降った一日だったからか、突如車窓に燃え盛った夕焼けは息をのむ美しさであった。東側の空にはわずかながら虹もかかり、我々を祝福しているかのようである。
駅すぐそばの馬来田踏切から、構内に停車する列車をスローシャッターで撮影。側面には灯りが回らず、キハ30が2連になっていることが今ひとつ判然としない写真になってしまったが、大勢の乗降客がホームを行き交う姿も収めることができたので良しとしよう。これにて今日の撮影は終了である。
夜は木更津で飲んで帰る。どうもお疲れさまでした。夕方以降の撮影がとくに充実していた。そんなに遠い場所ではないから、晩秋あたりにもう一度訪れてみるのも良いかもしれない。
写真
1枚目:山奥へ入ってゆく(@平山~上総松丘 Q地点)
2枚目:老気動車の咆哮(@平山~上総松丘 R地点)
3枚目:地域に密着した輸送(@馬来田)
2090文字
コメント
やはり晴天時にせめてもう一度行きたいね。余命2ヶ月、強引にでも機会を作りたいところ。
ここといい秩父といい、今年の秋はかなり「キモ」だね。。
これから時期が進むといかにも葬式鉄っぽくなるが、また予定が合えばカラッとした晩秋の寂寥感の中で撮影をしたいところだw いやしかし、年々撮るものが減っていくね・・・