晩夏の久留里線 Part 2
晩夏の久留里線 Part 2
晩夏の久留里線 Part 2
山間部へ入る。
9/19
東横田1131 → 上総松丘1207
久留里線929D キハ38 3

撮影(平山~上総松丘間 P地点):
934D[1236] キハ37 1003+キハ38 3(A12)

撮影(上総松丘~上総亀山間 X地点):
933D[1358] キハ38 4+キハ38 1001(A11)
938D[1423] キハ38 4+キハ38 1001(A11)

山線へ
横田~東横田での撮影を終え、上総亀山方面へ歩を進める。久留里を境にして風景は田園地帯から山間部へと一変し、列車は小櫃川の流れに沿いながら、急勾配を登り詰め、急カーブを切り抜け、どんどん山奥へと分け入ってゆく。とくに久留里~平山~上総松丘の間は道路や民家からかなり離れて走行する場所が多く、鬱蒼たる藪の中に線路だけが走っている光景をしばしば目にする。しかし、いよいよ山線になってきたか、と思ったところで、久留里線の歩みは終点の上総亀山でぷっつりと途絶えることになる。もともとは太平洋側まで横断する予定だったようだが、その夢は未成線の幻となって消えた。今回は終点一つ手前の上総松丘で下車し、歩きながら前後の撮影地のロケハンを行うとしよう。

P地点: どういうわけか駅の出口は並走する国道410号線と反対側にあるので、道へ出るにはだいぶ大回りをする必要がある。もっとも、構内を横断すればすぐに出られるという話もあるw 駅を出て丁字路を右折し、線路に突き当たったところは第一天津街道踏切という。ここは下り向きのインカーブの撮影地のようだが、さして景色がよくないし、線路脇の草も高すぎる。乗ってきた列車の折り返しは、踏切からしばらく駅方向へ戻ったところにある線路際の木の下から撮影。夕方順光。望遠で駅構内を圧縮して写せるので、入線、停車、発車の一連の流れを楽しむことができる。ホームと駅舎がかなり離れているため、遠くから眺めるとコンクリートの台が忽然と線路のそばに姿を現しているかのようで面白い。優しい顔つきのキハ37を先頭に、列車はゆっくりと発車してゆく。

X地点: 次の列車まではだいぶ時間が空くので、今度は上総亀山方面に足を運ぶ。この区間にはトンネルが2つあるが、久留里線のトンネルはこの2つだけ。国道から線路側へ入る獣道のようなところを進めば、すぐに線路、そしてトンネルが見える。鉄道の撮影地というのは往々にして私有地であったり、犬走りのように線路に近すぎたりなど、その大半がグレーゾーンだという認識でいるのだが、さしあたり「第五種踏切」とでも呼べば良いのか、今回のこのX地点もなかなか難しいところであった。辺りは線路でさえも一面の緑が覆っていて、独特の雰囲気が醸し出されている。

天候はかなり不安定で、雨が降ったり止んだりを繰り返している。とにかく湿度が高くしっとりとしていて、その感触は肌のみならず、網膜でさえも感じ取れそうな、そんな午後である。雨に溶け出した草木の匂いが嗅覚を刺激し、国道を行き交う車のエンジン音、タイヤが路面を滑るシャーという音が木々の向こう側に聞こえる。補給する水の味は淡白で無機質。撮影といえば視覚に偏重しがちだけれども、本来は五感で楽しむものなのだ。

写真
1枚目:上総松丘を発車した上り列車(@上総松丘~平山 P地点)
2枚目:鬱蒼たる茂みから突如姿を現す(@上総松丘~上総亀山 X地点)
3枚目:トンネルから出てくる(@上総松丘~上総亀山 X地点)

1550文字

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

日記内を検索