佐渡旅行 1日目
佐渡旅行 1日目
佐渡旅行 1日目
日本海随一の離島へ。
8/10
東京912 → 新潟1049
上越新幹線313C Maxとき313号

新潟駅前1105 → 佐渡汽船1120
新潟交通バス

新潟1235 → 両津1505
佐渡汽船カーフェリー おおさど丸

両津港1530 → 相川温泉1650
国道350号線、県道45号線 レンタカー

ホテルめおと 泊

佐渡へ
部活の同期4人で行く旅行。佐渡という行先は自分の案で、こういう機会でないとなかなか行けない場所を選んだ。我ながらマニアックな行先だとは思ったが、美しい海と山が織りなす自然の中、広大な日本海にぽつりと浮かびながら人々の生活が息づいているさまは、何とも魅力的に映る。日本海を越えて佐渡へ渡島するには、新潟-両津航路、寺泊-赤泊航路、直江津-小木航路の三つがあるが、新潟から海を渡るのが地理的にもダイヤ的にも最も便利である。そういうわけで、まずは新潟を目指す。乗ったのはMaxとき313号というノンストップの列車で、所要はわずか1時間37分。上越新幹線の最速列車である。新潟到着後は万代口から佐渡汽船乗り場行のバスに乗るわけだが、その前に10時58分発の酒田行特急いなほ8号の発車を見届ける。8月中旬という時期も相まってか、Maxとき313号からこの列車へ乗り換える客はかなり多い。佐渡汽船行のバスは大混雑。4人であればタクシーに乗っても運賃に大差はなかった。11時半前、信濃川の中州にある万代島フェリーターミナルに到着。

つい先月から始まった大学生向けの学割では、通常の片道運賃2440円のところが3割以上安くなって1620円となる。佐渡の観光客は年々減少しているらしく、そうした状況を打開するために、若い層がもっと気軽に訪れることを狙っての学割らしい。それでも、いちいちフェリーに乗り換えるという離島ならではの不便さは変わらず、佐渡空港の滑走路が延長されて大都市圏からの空路の直行便でも設定されない限りは、なかなか厳しいのかもしれない。昼食は、佐渡汽船商事がやっているターミナル内の食堂で定食を食べる。なかなか美味しい。そして改札開始。実はこうして本格的なフェリーに乗るのは初めてで、乗船口から眺める巨大な船体に圧倒される。のんびりと昼食をとっていたため、2等のジュータン席はすでに埋まっていた。しかし4階にベンチ席があるということで、そちらへ移動。ここは半分屋外の空間で、吹き抜ける海風が心地よい。

船は定刻に出港。おびただしい数のカモメが追いかけてくる。デッキからはえびせんを差し出す人が多く、カモメが船に寄っては離れ寄っては離れを繰り返し、俊敏に餌をついばんでいく。しばらくの間は新潟港の中を航行し、20分ほど経ってからいよいよ外洋へ出る。天候は晴れ。景色全体にうっすらと雲がかかっているようにも見える。逆光に霞む新潟市街、そして椀を伏せたような形の弥彦山がどんどん後方へ遠ざかっていき、やがて船はブライトブルーの洋上を佐渡島へ向かって快調に滑り始めた。すでに水平線上には青い島影が見えているが、両津港までの所要は2時間半。意外にも遠い。てっぺんの甲板に出ると、海風が強く日差しが眩しい。潮の香りの中には、大きな煙突からかすかに漏れてくるディーゼルの排煙の匂いが混じり、船旅であることを実感。船の名はおおさど丸といい、乗客はジュータンに寝そべったり、ベンチ席で海を眺めたり、食堂で休憩したりと、みな思い思いの時間を過ごしている。8月10日12時35分に佐渡へ向けて新潟を出発したフェリー、その船上でこれほど多くの乗客が一堂に会しているというのはなかなか面白い。もちろん乗船の目的は全員ばらばらだろうし、それにみなが互いに赤の他人。しかし本来ならばまったく無縁だったはずの人々がこうして同じ時空間を共有するさまは、旅の楽しみの一つでもある。ことに船旅の場合は空間が開放的なので、列車での旅よりもそのことがいっそう大きく実感できよう。

あっという間に時間は過ぎ、気が付くと船は両津湾内に入っていた。進行方向左手には小佐渡、右手には大佐渡の山々が見え、やがて両津の町が近付いてくる。そして接岸。後を追ってきた水中翼船のジェットフォイルもほぼ同時刻に到着である。ジェットフォイルの所要は1時間あまりとフェリーの半分以下だが、速達性重視では何となく味気ない船旅になりそうである。両方から下船した大勢の乗客がぞろぞろと歩きながらターミナルへと吸い込まれてゆく。ついに佐渡島に上陸である。

夕刻の横断行路
両津港のすぐそばにある渡辺産商レンタカーという所で車を借りる。島内の公共交通機関は路線バスのみで観光で色々と回るには圧倒的に不便ということで、今回はレンタカーを存分に活用する。とはいっても、旅先で車を運転するのは初めてだし、別に普段から頻繁に運転をしているわけでもない。とりあえず、ばどこさんに持ってきてもらった初心運転者標識を前後に貼って出発。車種はホンダのフィット。まるっとした車で、ハンドルの操作性も良く、コロコロ転がるように動くので、意外にもかなり運転しやすい。今日は国道350号線で国仲平野を横断して両津湾と反対側の真野湾まで出た後、北に進路を変えて佐渡の海岸線を一周する県道45号線に入る。目的地は相川だが、町の中心部から少し南に外れた七浦海岸というところにある、景勝地の夫婦岩のすぐそばが今宵の宿である。

金曜の夕方で渋滞する国道を西へ向かっている間などは車内の会話に参加する余裕などなかったが、県道に入った頃にはずいぶんと運転にも慣れてきた。国道沿いにはスーパーやらコンビニやら量販店やらが立ち並び、関東圏の市街地とさほど変わらないような様子だったが、海沿いに出ると景色は一変し、急峻な地形と岩石に富んだ海岸線、そして漁港を中心にぽつぽつと点在する小さな集落が特徴的となる。車の往来も急激に少なくなり、いよいよ西に傾き始めた太陽から発せられる斜光線が旅愁をそそる。港を出てから1時間あまりで夫婦岩に到着。宿はこのすぐそばにある。

日没
夫婦岩は七浦海岸を代表する景勝地で、およそ20mの岩が二つ寄り添うように並んでいる。海には無数の岩が散りばめられ、押し寄せては引いてゆく波に絶えず洗われている。やがて日没の時刻が近くなると、太陽はみるみるうちに輝きを失っていき、空には吹き流された雲がアクセントとなって、絶妙な色彩のグラデーションが現れる。ファインダー越しに網膜を焼きながら何枚も写真を撮影。厚い雲に阻まれてしまい水平線にその姿を沈めるところまでは見届けられなかったが、今日の一日を終えようとする太陽の姿を夫婦岩と共にとらえた。

夕食は豪勢な海鮮料理。イカそうめんや味噌焼き、まるまる一体のカニ、刺身、焼き魚など、内容は盛りだくさんである。ナガモという海藻も名産らしく、海の納豆と呼ばれるだけあって粘りが強い。普段とは違う食に触れる旅の楽しみ。夜は温泉に浸かってゆっくりと休む。

写真
1枚目:佐渡汽船カーフェリー
2枚目:両津湾に入る
3枚目:夕日

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