フランス旅行 8日目
2012年3月17日 鉄道と旅行
芸術の洪水。
・ルーヴル美術館
朝10時頃に宿を出てルーヴルへ向かう。長蛇の列に並ぶことになるかと思いきや、すぐにチケットを買えた。ルーヴルは随分昔に来たことがあるようだが、全く記憶にない。ガラス張りのピラミッドから差し込む太陽光で、地下のナポレオン・ホールは明るく照らされている。このホールからリシュリュー(Richelieu)、シュリー(Sully)、ドゥノン(Denon)の各翼へ行くことができるが、館内はとにかく広大で、地図の描いてあるパンフレットがないと確実に迷う。今回は記憶上ほぼ初訪問に等しいので、地図で紹介されているサワリの部分だけを回る。主に鑑賞したのは以下:
デュプロで「重要度 ★★★★★」と書かれた部分をひたすら暗記するかのごとく、展示のサワリを中心に観覧していく。しかしそれだけでもかなり大変であり、回る途中にしばしば他の作品で立ち止まっていたらあっという間に閉館時間となり、一日が終わってしまった。一つ一つをじっくりと見て回っていたら一週間はかかる、とよく言われるのも納得できる。だんだんキモ所だけを集めた確認作業のようになっていったのが残念である。いやむしろ、一つ一つの作品が重すぎるのにその数があまりに膨大で、いちいち深い思索に耽っていてはとうてい精神や体力がもたないのが実情。絵画にしろ彫刻にしろ、「すごいもの」がそこら中に並べられたり転がっていたりして、適当に10点も集めれば相当なコレクションになるのではないかと思う。日本でも人気を博したフェルメール(Vermeer)の絵も、その2点が部屋の隅に何気なく飾られていたし、ガラスケースに適当に入れられている数々の王室調度品も、凄まじい価値があるはずだ。何にせよ、これまで訪れたことのある「美術館」とはそもそもの格が違う。
ルーヴルの収蔵品は王室の美術コレクションに始まり、ルイ16世の時代には膨大な数にのぼり、さらにナポレオンの時代以降も蒐集が続けられて現在その数は30万を超えるという。古代エジプト、ギリシャ、ローマの美術も相当に充実していて、よくぞここまで各地からかっぱらってきたものだ。またルーヴル宮という建物自体も壮大な建築で風格があり、とくにリシュリュー翼の二階にあるナポレオン3世(Napoleon Ⅲ)の居室などは圧巻であった。ガラス屋根の張られた同翼の中庭には数々の彫刻が立ち並び、差し込んで来る柔らかい自然光を受けてさまざまな表情を見せる。角度と光線によって色々見え方が変わるから、改めて彫刻の面白さを実感。夜に訪れたらさぞミステリアスなことだろう。館内は綺麗に整備され、構造さえ把握してしまえば地図をもとに効率よく作品を回ることができた。
芸術の洪水に溺れ、心身ともに疲弊した一日。夕食はカプシーヌ通りの「中華飯店」という店で中華料理を食し、宿へ戻る。明日晩の飛行機でいよいよパリを去ることになる。荷造りを済ませた後、ベッドに横たわり旅の回想に耽った。
写真
1枚目:モナ・リザ
2枚目:ナポレオン3世の居室
3枚目:ミロのヴィーナス
1827文字
3/17
ルーヴル美術館観覧
パリ泊
Baudelaire Opéra
・ルーヴル美術館
朝10時頃に宿を出てルーヴルへ向かう。長蛇の列に並ぶことになるかと思いきや、すぐにチケットを買えた。ルーヴルは随分昔に来たことがあるようだが、全く記憶にない。ガラス張りのピラミッドから差し込む太陽光で、地下のナポレオン・ホールは明るく照らされている。このホールからリシュリュー(Richelieu)、シュリー(Sully)、ドゥノン(Denon)の各翼へ行くことができるが、館内はとにかく広大で、地図の描いてあるパンフレットがないと確実に迷う。今回は記憶上ほぼ初訪問に等しいので、地図で紹介されているサワリの部分だけを回る。主に鑑賞したのは以下:
モナ・リザ〈Leonardo da Vinci〉
カナの婚宴〈Paolo Veronese〉
ナポレオン1世の戴冠式〈Jacques Loius David〉
サモトラケのニケ
トルコの浴場〈Jean-Auguste-Dominique Ingres〉
いかさま師〈Georges de La Tour〉
宰相ロランの聖母〈Jan van Eyck〉
ガブリエル・デストレとその妹
自画像〈Albrecht Dürer〉
レースを編む女〈Jan Vermeer van Delft〉
天文学者〈-〉
ナポレオン3世の居室
マルリーの馬〈Guillaume Coustou〉
マグダラのマリア〈Gregor Erhart〉
瀕死の奴隷〈Michelangelo〉
エロスの接吻で目覚めるプシュケー〈Antonio Canova〉
ミロのヴィーナス
ラムセス2世座像
ポンパドゥール侯爵夫人の肖像〈Maurice Quentin de La Tour〉
ハムラビ法典
デュプロで「重要度 ★★★★★」と書かれた部分をひたすら暗記するかのごとく、展示のサワリを中心に観覧していく。しかしそれだけでもかなり大変であり、回る途中にしばしば他の作品で立ち止まっていたらあっという間に閉館時間となり、一日が終わってしまった。一つ一つをじっくりと見て回っていたら一週間はかかる、とよく言われるのも納得できる。だんだんキモ所だけを集めた確認作業のようになっていったのが残念である。いやむしろ、一つ一つの作品が重すぎるのにその数があまりに膨大で、いちいち深い思索に耽っていてはとうてい精神や体力がもたないのが実情。絵画にしろ彫刻にしろ、「すごいもの」がそこら中に並べられたり転がっていたりして、適当に10点も集めれば相当なコレクションになるのではないかと思う。日本でも人気を博したフェルメール(Vermeer)の絵も、その2点が部屋の隅に何気なく飾られていたし、ガラスケースに適当に入れられている数々の王室調度品も、凄まじい価値があるはずだ。何にせよ、これまで訪れたことのある「美術館」とはそもそもの格が違う。
ルーヴルの収蔵品は王室の美術コレクションに始まり、ルイ16世の時代には膨大な数にのぼり、さらにナポレオンの時代以降も蒐集が続けられて現在その数は30万を超えるという。古代エジプト、ギリシャ、ローマの美術も相当に充実していて、よくぞここまで各地からかっぱらってきたものだ。またルーヴル宮という建物自体も壮大な建築で風格があり、とくにリシュリュー翼の二階にあるナポレオン3世(Napoleon Ⅲ)の居室などは圧巻であった。ガラス屋根の張られた同翼の中庭には数々の彫刻が立ち並び、差し込んで来る柔らかい自然光を受けてさまざまな表情を見せる。角度と光線によって色々見え方が変わるから、改めて彫刻の面白さを実感。夜に訪れたらさぞミステリアスなことだろう。館内は綺麗に整備され、構造さえ把握してしまえば地図をもとに効率よく作品を回ることができた。
芸術の洪水に溺れ、心身ともに疲弊した一日。夕食はカプシーヌ通りの「中華飯店」という店で中華料理を食し、宿へ戻る。明日晩の飛行機でいよいよパリを去ることになる。荷造りを済ませた後、ベッドに横たわり旅の回想に耽った。
写真
1枚目:モナ・リザ
2枚目:ナポレオン3世の居室
3枚目:ミロのヴィーナス
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