晩秋の秩父鉄道 Part 1
2011年11月21日 鉄道と旅行
秩父鉄道の鉱石列車を撮ってきました。武蔵溝ノ口から南武線、青梅線、八高線経由で東飯能へ。そこから西武秩父線で秩父入りする。片道3時間ほどかかるが、それでもこれほどの近くに魅力的な地方私鉄があるとはなかなか嬉しい。いまだ活躍する旧国鉄101系電車もさることながら、何よりも石灰石輸送の貨物列車が頻繁に山間部を行き交う様子は実に撮影欲をそそる。 ※[ ]内に時刻を記す
・三ノ輪引込線
まずは影森へ。ほぼ始発から乗り継ぎを重ね、824着。秩父太平洋セメント三ノ輪鉱業所への引込線がこの駅から分岐している。前の晩から影森に停泊している2本の返空列車と、10時台に影森に到着する返空列車(7303レ)の計3本が午前中にこの引込線から鉱業所内へ入り、そこで石灰石を満載して再び本線に戻ってくる。オレンジバーミリオンの1000系に乗って影森に着くと、ちょうど1本目の返空列車が発車するところであった。歩いて10分あまりの引込線に到着すると、列車は人が歩くような速度でゆっくりと鉱業所内へ引き込まれてゆく。小一時間経った頃、鉱業所を発車した7104レがデキ504の牽引で姿を現し、本線へと向かってゆく[913]。
今度は、影森駅構内に停車していたもう1本の返空列車が引込線へやってくる[934]。構内でいったん後退してから急坂を登ってくる様子が面白い。鉱業所内に入ると電気機関車はすぐに解放され、かわりに入替用のディーゼル機関車が20両の貨車をゆっくり奥へと引っ張っていく。煙突から噴き上がる白いエギゾーストが逆光の朝日に映え、機関音が武甲山の山あいに響き渡る。30分ほどで、貨車に石灰石を満載した7204レがデキ303の牽引で姿を現した[1012]。黙々と連なる漆黒の車列にはただならぬ迫力を感じる。
・波久礼~樋口にて
7303レの到着をホームから見届けた後[1033]、影森1038発の上り電車に乗って昼は波久礼に向かう。途中の野上で7403レと交換し[1112]、波久礼の一つ手前の樋口で先ほどの7204レを追い抜いた[1115]。今回は最新のダイヤグラムを準備する時間がなく、手元の古い貨物ダイヤが今も使えるかどうか不明である。しかも貨物時刻表では武川、武州原谷、影森の時刻しか分からないうえ、所要時間から考えるとどの鉱石列車も途中で間違いなく普通列車の待避やら交換やらで長時間停車を行っている。ところがほぼ全ての駅が交換・待避設備をもっているため、ダイヤグラムが手に入らないとまるで正確な予想がつかない。昨年4月の鉄道ダイヤ情報に付録として載っていたようなので、近く次回訪れるときはこれを携えていくとしよう。
波久礼で降り、交通量が多いにもかかわらず歩道の整備されていない国道140号線を樋口方面へ歩く。つい先ほど追い抜いた7204レがいつやって来てもおかしくないので撮影地探しに焦っていると、運良く築堤を登る獣道が見つかった。おそらく撮り鉄の先人が残した道だと思われる。ここは山腹をなぞるように国道と荒川に沿って線路が走っている。山の木々はうっすら黄褐色に色づき、いかにも晩秋らしい。まもなく7204レが登場[1127]。国道を走る車がたまたま途切れて幸運であった。その後、さらに樋口方面へ歩いて編成写真が収められるストレートの撮影地に向かうが、のんびり普通列車などを撮っていたら下り7005レに間に合わず、敢えなく国道から見送るという失態を犯してしまった[1155]。気を取り直して、国道が線路と別れ始めるあたりの小さな第4種踏切から線路沿いの道を歩き、果樹園のそばから下り列車を順光で狙う。ハイライトは、朝にも乗ったオレンジバーミリオンの1000系[1236]、7105レ[1309]。上りは完全な逆光ではあったが、7304レ[1230]、7404(7006?)レ[1358]を撮影。聞くところによると昨日まで貨物は運休だったとのこと。貨物列車はどうしても工場の生産状況や荷主の都合に左右される部分があるが、ちゃんと走っていてほっとした。
写真
1枚目:鉱業所から出てきた上り列車(@三ノ輪鉱業所~影森)
2枚目:晩秋の山間部をゆく(@樋口~波久礼)
3枚目:オレンジバーミリオン(@波久礼~樋口)
1908文字
・三ノ輪引込線
まずは影森へ。ほぼ始発から乗り継ぎを重ね、824着。秩父太平洋セメント三ノ輪鉱業所への引込線がこの駅から分岐している。前の晩から影森に停泊している2本の返空列車と、10時台に影森に到着する返空列車(7303レ)の計3本が午前中にこの引込線から鉱業所内へ入り、そこで石灰石を満載して再び本線に戻ってくる。オレンジバーミリオンの1000系に乗って影森に着くと、ちょうど1本目の返空列車が発車するところであった。歩いて10分あまりの引込線に到着すると、列車は人が歩くような速度でゆっくりと鉱業所内へ引き込まれてゆく。小一時間経った頃、鉱業所を発車した7104レがデキ504の牽引で姿を現し、本線へと向かってゆく[913]。
今度は、影森駅構内に停車していたもう1本の返空列車が引込線へやってくる[934]。構内でいったん後退してから急坂を登ってくる様子が面白い。鉱業所内に入ると電気機関車はすぐに解放され、かわりに入替用のディーゼル機関車が20両の貨車をゆっくり奥へと引っ張っていく。煙突から噴き上がる白いエギゾーストが逆光の朝日に映え、機関音が武甲山の山あいに響き渡る。30分ほどで、貨車に石灰石を満載した7204レがデキ303の牽引で姿を現した[1012]。黙々と連なる漆黒の車列にはただならぬ迫力を感じる。
・波久礼~樋口にて
7303レの到着をホームから見届けた後[1033]、影森1038発の上り電車に乗って昼は波久礼に向かう。途中の野上で7403レと交換し[1112]、波久礼の一つ手前の樋口で先ほどの7204レを追い抜いた[1115]。今回は最新のダイヤグラムを準備する時間がなく、手元の古い貨物ダイヤが今も使えるかどうか不明である。しかも貨物時刻表では武川、武州原谷、影森の時刻しか分からないうえ、所要時間から考えるとどの鉱石列車も途中で間違いなく普通列車の待避やら交換やらで長時間停車を行っている。ところがほぼ全ての駅が交換・待避設備をもっているため、ダイヤグラムが手に入らないとまるで正確な予想がつかない。昨年4月の鉄道ダイヤ情報に付録として載っていたようなので、近く次回訪れるときはこれを携えていくとしよう。
波久礼で降り、交通量が多いにもかかわらず歩道の整備されていない国道140号線を樋口方面へ歩く。つい先ほど追い抜いた7204レがいつやって来てもおかしくないので撮影地探しに焦っていると、運良く築堤を登る獣道が見つかった。おそらく撮り鉄の先人が残した道だと思われる。ここは山腹をなぞるように国道と荒川に沿って線路が走っている。山の木々はうっすら黄褐色に色づき、いかにも晩秋らしい。まもなく7204レが登場[1127]。国道を走る車がたまたま途切れて幸運であった。その後、さらに樋口方面へ歩いて編成写真が収められるストレートの撮影地に向かうが、のんびり普通列車などを撮っていたら下り7005レに間に合わず、敢えなく国道から見送るという失態を犯してしまった[1155]。気を取り直して、国道が線路と別れ始めるあたりの小さな第4種踏切から線路沿いの道を歩き、果樹園のそばから下り列車を順光で狙う。ハイライトは、朝にも乗ったオレンジバーミリオンの1000系[1236]、7105レ[1309]。上りは完全な逆光ではあったが、7304レ[1230]、7404(7006?)レ[1358]を撮影。聞くところによると昨日まで貨物は運休だったとのこと。貨物列車はどうしても工場の生産状況や荷主の都合に左右される部分があるが、ちゃんと走っていてほっとした。
写真
1枚目:鉱業所から出てきた上り列車(@三ノ輪鉱業所~影森)
2枚目:晩秋の山間部をゆく(@樋口~波久礼)
3枚目:オレンジバーミリオン(@波久礼~樋口)
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