よくある勝手の不正は、右上腕骨外側上顆ならびにその近傍から起始する橈骨神経支配の伸筋群の緊張によるものだと思う。腕橈骨筋がはたらけば肘関節が屈曲し、流される大三ではなく引っ張る大三になる。長・短橈側手根伸筋がはたらきすぎるといわゆる手首が落ちた状態になる。さらに、手首で弦を引くことになる。尺側手根伸筋がはたらけば手根が尺屈し、手首が外を向く。回外筋がはたらけば、取懸けをほどく方向の力が生じて弦道を感じにくくなるばかりか筈こぼれもしやすくなる。
総指伸筋と小指伸筋はどうか。大三~引分けにかけて勝手の薬指と小指がたたまれるのと立つのとでは明らかに弦道の感覚が違う。この二指が立つということはかかる二筋が緊張している。筋腹は前腕の浅層を走るので、筋の緊張は前腕の力みにつながる。さらに、同じく外側上顆から起始する他の筋群も少なからず同調するかもしれない。いわゆる腕で引くというのはこの状態だと思われる。とくに総指伸筋は強大な伸筋であるから、与える影響も大きいのではないか。勝手の力を抜く作業は、薬指と小指をたたんで総指伸筋を弛緩させることから始まり、大三で腕橈骨筋を使わずに肘まで力を通すことである。難しいのは、円相を維持するために長・短橈側手根伸筋と橈側手根屈筋のわずかな作用を絶妙に協働させ続けることである。
写真:特急サロベツ車窓
天塩川を上流へさかのぼっていく。
622文字
総指伸筋と小指伸筋はどうか。大三~引分けにかけて勝手の薬指と小指がたたまれるのと立つのとでは明らかに弦道の感覚が違う。この二指が立つということはかかる二筋が緊張している。筋腹は前腕の浅層を走るので、筋の緊張は前腕の力みにつながる。さらに、同じく外側上顆から起始する他の筋群も少なからず同調するかもしれない。いわゆる腕で引くというのはこの状態だと思われる。とくに総指伸筋は強大な伸筋であるから、与える影響も大きいのではないか。勝手の力を抜く作業は、薬指と小指をたたんで総指伸筋を弛緩させることから始まり、大三で腕橈骨筋を使わずに肘まで力を通すことである。難しいのは、円相を維持するために長・短橈側手根伸筋と橈側手根屈筋のわずかな作用を絶妙に協働させ続けることである。
写真:特急サロベツ車窓
天塩川を上流へさかのぼっていく。
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