青森・道南旅行 1日目
青森・道南旅行 1日目
青森・道南旅行 1日目
林は粘い空気を抱き、池は清冽な水を湛える。
8/15
東能代1000 → 能代1005
五能線131D キハ40 537

能代1056 → 十二湖1204
五能線321D キハ40 546

十二湖駅前1210 → 奥十二湖1225
岩崎タクシー

十二湖散策

奥十二湖1535 → 十二湖駅前1550
弘南バス

十二湖1608 → 川部1811
五能線8525D リゾートしらかみ5号 キハ48 706

川部1830 → 青森1906
奥羽本線661M クハ700-10

青森泊

五能線
あけぼのが遅れたので、乗り継ぎの関係で旅程は3時間ほど繰り下がった形になった。空は鉛色、時おり雨が降ってくる。空気はじっとりと湿っていて、いかにも水蒸気の海に溺れている感じである。秋田・青森の県境は寂れた海岸線をゆく。同じ日本海でも、ここまで北上してくると北陸あたりとは表情が異なるように思える。また、線路際の植生も心なしか「北」の様相。窓外は、大粒の雨になった。

十二湖
普通列車に接続するバスはないので、タクシーで奥十二湖まで送ってもらうことにする。親切にも、色々と説明をしてくれる。天候は相変わらずだが、林の中に足を踏み入れてみれば意外と雨は降ってこない。帰りのバスまでたっぷり3時間はあるから、ゆっくりと池々を回り歩く。

目玉の青池には簡単な展望台が設けられていて、アプローチしやすいということもあってか人が多い。水の青さは、眺める角度によって微妙に変化してゆくから面白い。やがて奥地まで足を踏み入れると、急に人の姿を見なくなる。霧が湖面をそそくさと駆けてゆく。倒木が灰白色の空気にぼうっと浮かび上がる。ゆったりとした長池でのひと時。仲道の池は、水鏡が美しい。鏡面にはカワセミが映える。最後は沸壺の池を回る。この目で見たままの世界を撮像素子に焼きつけるのはなかなかに難しい。おそらく、人間の顔だとか単純な景色だとかは被写体として研究し尽くされているのだろうが、こういう絶妙な色調を、臨場感を以って写真で語るのには意外にも限界があった。

林を出て、沸壺池の清水で喉を潤す。坂道をしばらく歩いてバス停まで引き返すともう15時を過ぎていた。帰りのバスの運転手も愉快に案内をしてくれる。次に十二湖を訪れるのはいつになるのだろう。

青森
リゾートしらかみ5号で十二湖を去り、あとは一路青森を目指すのみ。後で気が付いたのだが、傘を駅に置き忘れてきてしまった。旅は別れである。思えば、目方にふさわしい堅牢な傘であった。川部で普通列車へ乗り継ぎ、青森に着く頃には日はとっぷりと暮れた。大阪行の日本海が入線していたので、発車まで見送る。この列車も、いつまで走るのか。夜行寝台列車、昭和の亡霊である。

写真
1枚目:青池
2枚目:仲道の池
3枚目:特急日本海@青森

1549文字

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