北海道旅行 4日目
北海道旅行 4日目
北海道旅行 4日目
3/11
豊水すすきの901 → さっぽろ905
札幌市営地下鉄東豊線72 7102

札幌919 → 苫小牧1003
函館本線・千歳線・室蘭本線5008D 特急北斗8号
キハ183 1556

苫小牧1017 → 様似1335
日高本線2227D キハ40 353

様似1433 → 苫小牧1754
日高本線2236D キハ40 353

日高本線
ついに道内滞在も最終日。今日は1日がかりで日高本線を乗りつぶす。海岸線に張り付いた、道南の長い盲腸線である。

夕べは北海道・東北の太平洋側は荒れたようで天気がいささか心配ではあったが、至って平穏である。朝は薄曇であったが、苫小牧に着く頃には空は澄みわたってきた。苫小牧を出た列車はひたすら南東に向かって走る。最初は港湾や工業地帯が待ち受けるが、やがては牧場と太平洋に囲まれたのどかなローカル線の旅となる。線路と海との間には乱雑な砂浜が広がるのみで、大狩部あたりでは海岸線が非常に近くなる。静内では長停。帰りの列車に合わせて「日高つぶめし弁当」を予約しておく。この辺りはもっと暖かい季節に来るとなお素晴らしいのだろう。日高昆布という名産もありながら、競走馬の育つ里でもある。浦河を過ぎれば沿線は漁師町の様相を呈してくる。ところどころに干された昆布、広い砂浜、陸に揚げられた漁船がこの地域を特徴づけている。片道3時間という長旅ではあるが、思いのほかあっという間に終着の様似である。

ここからは襟裳岬行のバスも出ているが、残念ながら今回は時間がない。およそ1時間後の苫小牧行で折り返すことになる。駅は簡易委託で、わざわざ記念に発行して頂いた切符はかけがえのない想い出となった。日高山脈の麓、襟裳岬に近いのどかな町である。そろそろ行かねばならない。

帰りの列車は夕刻も近くなり、行きとはまた違った表情の車窓となる。傾きゆく西日を追いかけるかの如く、列車は海岸線を快走する。静内では昼間頼んでおいた弁当を受け取った。ここからはちょうど夕方の列車となり、家路につく高校生が多く乗ってくる。彼らにとっては当たり前の光景でも、我々旅行者にとってみれば、海岸のすぐそばを走る鉄道などはなかなか珍しい。窓を開け、無心にシャッターを切る。窓から差し込んでくる夕陽が、車内を橙色に染め上げる。潮風は爽快。そして北海道で眺める最後の入り日。明朝にはもう雑然とした日常に戻っている、という思いがふと頭をよぎるも、非日常の贅沢を最後まで味わいつくすかのように、この時空間全体を堪能する。鵡川を過ぎたあたりで完全に陽は没してしまったが、もくもくと煙の立ち昇る製紙工場のプラントが、残照のコントラストに映えて美しい。ほどなくして夜の帳が下りてくる。苫小牧に戻ったのもその頃であった。

日高本線、また訪れたい。

写真
1枚目:昆布の名産地
2枚目:まもなく日没
3枚目:苫小牧の黄昏

1426文字

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

日記内を検索