羽越本線の朝
羽越本線の朝
羽越本線の朝
朝の秋田は意外にも肌寒い。日本海の発車を見届けた後、まずは羽越本線を4駅南下して下浜へ向かうとする。

秋田549 → 下浜603
羽越本線524M 普通 クハ700-33
酒田行の一番列車に乗る。北東北の普通列車はもはや701系の王国ともいえる。車内には長大なロングシートが並び、ぽつぽつと乗客が座っているのみである。

朝日が車内に差し込む。時計を見ればまだ6時前。もっとも、能登やきたぐにから降り立った数日前の糸魚川や敦賀の朝は5時にすらなっていなかったが、最近の生活からしてみればかなりの早起きである。今日は秋田からいよいよ帰京の途につかねばならない日だが、やろうと思えば新幹線で午前中に直帰することも可能であった。しかしながらそれではあまりにあっけない上、ここまで来た意味があまりなくなってしまう。そこで、羽越本線の撮影を盛り込んでみたのである。そういえば、北東北で鉄道撮影に赴いたことはまだなかった。

下浜で下車。心地よい涼しさ、晴れ渡る空、まだ赤みを帯びている朝日、心なしか秋の朝といった感じである。駅前の国道越しには紺碧の日本海が穏やかな姿を横たえている。今朝も天気に恵まれ、何より。そして国道を10分ほど南下すると、下浜踏切に至る。ここが撮影地。上下線がいくぶんか離れているため、望遠で下り線を狙うとあたかも単線区間のような構図ができあがる。単純といえばそれまでだが、良好な光線状態で編成写真が撮れ、かつ駅からも近い場所としては最適。唯一の難は、折角の日本海が入らないことだろう。

ここではあけぼの、2091レ、3099レを狙う。機関車牽引列車が6時半からわずか20分足らずの間に3本も通過するのだから、ちょっとした驚きである。「早起きは三文の得」という言葉は鉄道撮影の世界においてもかねてから言われてきたようだが、各列車を「一文」ととらえれば絶妙に納得がいく。それだけに、朝の時間帯は特殊かつ貴重といえる。三列車とも、無事に撮影を終えた。朝日が実にすがすがしい。最後に下りの普通列車も一本撮影。ついでであれ何であれ、わざわざここまで来たのだから701系といえどもカメラに収めておいて損はない。そして、駅へ戻る。

下浜728 → 秋田744
羽越本線525M 普通 クハ700-5
駅には高校生が集まり、列車内も学生で混雑していた。途中の新屋からも高校生が多く乗ってきて、まさに通学列車といった様相である。この時間帯、秋田方面の普通列車は本数がかなり多い。旅先で通勤・通学ラッシュに出くわすのもどこか新鮮で面白い。

秋田755 → 男鹿903
羽越本線・男鹿線1125D 普通 キハ48 537
またとない機会だろうから、このさい男鹿線を乗り潰すことにする。キハE120が磐越西線や米坂線に次々と進出する中、津軽線、五能線、只見線と並んでキハ40・48系列が残る貴重な路線の一つである。しかしながら、ほぼ全線で爆睡していた。二田で上り列車と交換したことくらいしか記憶がなく、気がつけば終点の男鹿に到着していたのであった。

盲腸線の乗り潰しなので必ず引き返さなければならないが、男鹿では8分しか時間がなかった。スタンプを押したのみで再びホームに戻る。

男鹿911 → 秋田1011
男鹿線・羽越本線1128D 普通 キハ48 1503
復路は一応目が覚めていたが、車窓にはのどかな田園風景が広がるのみである。追分からは羽越本線に入り、電化区間を気動車がゆく。

まだ10時を過ぎたばかりである。駅弁を買い、奥羽本線のホームに向かった。

写真(@道川~下浜)
1枚目:特急あけぼの。
2枚目:2091レ。
3枚目:3099レ。

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