雷鳥を追う Part 4
2009年8月23日 鉄道と旅行
当初の予定では道口まで30分で徒歩移動することになっていたが、今朝歩いてみたところによればそれはさすがに不可能だと実証済みなので、あと半時間ほどで通過する雷鳥29号に間に合わせるべく、こればかりはタクシーを利用する。已むを得まい。地形図を見せてここだと言うと、「ああ、電車を撮るんですねww」とすぐに判ってくれた。多くの人が訪れる有名撮影地として、地元でもそれなりに知られているのだろう。ものの7、8分であっけなく到着である。1110円也。
畑のそばの撮影地に到着すると、既に大勢の人がカメラを構えていた。話を聞くところによると、皆さん本命は29号ではなくその1時間後の33号で、舐め上げるような夕方の斜光線に映える国鉄色を狙っているようである。29号は日曜日にのみ運転される列車で、いわばオマケのようなものだという。しかしながら、南今庄に居た時に比べて随分と日は赤みを帯びてきた。日没間近の33号をここで狙えばさぞ魅惑的な写真になるのだろうが、残念ながらこの後は撮影予定が詰まっている。雷鳥29号は妖しく夕陽を浴びながらインカーブを駆け抜けた。そして34号は後追いで適当に撮影し、EF81率いる3099レを撮影すれば道口の撮影地は撤収である。夕方の列車に最適な名撮影地といえよう。
鳩原まで歩く。地形図ばかり見ていると実際の距離というのを忘れてしまいがちだが、夜行二連泊明けでそろそろ疲労も限界である。まずはEF510率いる4060レをカーブで撮影する。機関車をクローズアップする構図に挑んだわけだが、日は刻々と沈んで行き、列車が通過する頃には、既にカーブの頂点には日が差さない状況となってしまった。前哨戦のサンダーバードとしらさぎは良好な光線だったので、何とも残念である。先ほどの道口はいくぶんか景色が開けていたが、鳩原まで来ると山が両側に押し寄せるため日差しは急速に弱まる。雷鳥33号をクロス下の直線で狙うことにする。手前の線路は既に日陰となったが、遠景の山はわずかながら夕陽に照らし出されている。そのような独特の舞台に姿を現した雷鳥、国鉄色はしっとりした落ち着きを見せ、輝くヘッドライトは列車の存在感を物語る。最後に雷鳥38号が通過。撮影地も尽きてきたので、鳩原のカーブを内側から捉えてみる。しかしながらもはや日差しはなく、山の稜線付近が辛うじて照らし出されるのみ。だが夕刻の青空は実に美しかった。
敦賀~新疋田間での今日の撮影はこれにて全て終了。昼間と同じくコミュニティバスを利用して駅まで戻ることにする。一日三本のうち、これが最終便である。
特急日本海は19時19分から同27分まで近江塩津に運転停車し、後続の特急雷鳥41号に道を譲る。この光景をカメラに収めたかったのだ。2番線に停車する日本海、1番線のさらにもう1本向こう側の通過線を駆け抜ける雷鳥の国鉄色、この組み合わせを期待していた。ホームの照明に浮き上がった夜の国鉄色が帯になって流れていく様、動の雷鳥、静の日本海、この対比(待避)を構想していたのである。
予想通り、であった。近江塩津で下車するのは初めてだが、頭に思い描いていたのと寸分違わない光景。構想通りに写真が撮れるのは至上の喜びである。むろん、予習なくしては実現し得なかったわけである。日本海の車掌は手を挙げ、雷鳥の車掌とごく束の間の挨拶を交わした。光跡を引きながらあっという間に列車は通過し、残された日本海はホームに佇むのみ。カメラのバッテリーが辛うじて持ちこたえてくれて幸いであった。ここでは青春18きっぷで大旅行をしているという方と談笑する機会があった。旅行はこういった出会いがあるから面白い。
駅前の太陽軒という店でラーメンと炒飯を食す。その後、今春に新しくオープンしたという敦賀の東横インにチェックインである。今晩は早めに寝てゆっくり休むとしよう。
写真
1枚目:艶やかな夕刻の雷鳥(@新疋田~敦賀)。
2枚目:黄昏の山間部を抜けてくる(@新疋田~敦賀)。
3枚目:日本海と雷鳥、一瞬の離合(@近江塩津)。
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畑のそばの撮影地に到着すると、既に大勢の人がカメラを構えていた。話を聞くところによると、皆さん本命は29号ではなくその1時間後の33号で、舐め上げるような夕方の斜光線に映える国鉄色を狙っているようである。29号は日曜日にのみ運転される列車で、いわばオマケのようなものだという。しかしながら、南今庄に居た時に比べて随分と日は赤みを帯びてきた。日没間近の33号をここで狙えばさぞ魅惑的な写真になるのだろうが、残念ながらこの後は撮影予定が詰まっている。雷鳥29号は妖しく夕陽を浴びながらインカーブを駆け抜けた。そして34号は後追いで適当に撮影し、EF81率いる3099レを撮影すれば道口の撮影地は撤収である。夕方の列車に最適な名撮影地といえよう。
鳩原まで歩く。地形図ばかり見ていると実際の距離というのを忘れてしまいがちだが、夜行二連泊明けでそろそろ疲労も限界である。まずはEF510率いる4060レをカーブで撮影する。機関車をクローズアップする構図に挑んだわけだが、日は刻々と沈んで行き、列車が通過する頃には、既にカーブの頂点には日が差さない状況となってしまった。前哨戦のサンダーバードとしらさぎは良好な光線だったので、何とも残念である。先ほどの道口はいくぶんか景色が開けていたが、鳩原まで来ると山が両側に押し寄せるため日差しは急速に弱まる。雷鳥33号をクロス下の直線で狙うことにする。手前の線路は既に日陰となったが、遠景の山はわずかながら夕陽に照らし出されている。そのような独特の舞台に姿を現した雷鳥、国鉄色はしっとりした落ち着きを見せ、輝くヘッドライトは列車の存在感を物語る。最後に雷鳥38号が通過。撮影地も尽きてきたので、鳩原のカーブを内側から捉えてみる。しかしながらもはや日差しはなく、山の稜線付近が辛うじて照らし出されるのみ。だが夕刻の青空は実に美しかった。
敦賀~新疋田間での今日の撮影はこれにて全て終了。昼間と同じくコミュニティバスを利用して駅まで戻ることにする。一日三本のうち、これが最終便である。
鳩原1806 → 敦賀1817この路線は本数をもっと増やしてくれると撮影が格段に楽になるのだが、そうもいかないだろう。運転免許はもう間もなく取得できそうであるが、鉄道撮影に自動車を利用するようになるのはまだ当分先のことのように思う。
敦賀市コミュニティバス愛発線
敦賀1849 → 近江塩津1905良い加減に疲れたのでもう宿にチェックインしても良いはずなのだが、過酷な行程を放棄せずに折角ここまで来たのだから、妥協せずに最後まで完遂しよう。雷鳥37号と42号の発着を駅で見届けた後、近江塩津に向かう。何故か。
北陸本線3309M 新快速 クモハ223-3009
特急日本海は19時19分から同27分まで近江塩津に運転停車し、後続の特急雷鳥41号に道を譲る。この光景をカメラに収めたかったのだ。2番線に停車する日本海、1番線のさらにもう1本向こう側の通過線を駆け抜ける雷鳥の国鉄色、この組み合わせを期待していた。ホームの照明に浮き上がった夜の国鉄色が帯になって流れていく様、動の雷鳥、静の日本海、この対比(待避)を構想していたのである。
予想通り、であった。近江塩津で下車するのは初めてだが、頭に思い描いていたのと寸分違わない光景。構想通りに写真が撮れるのは至上の喜びである。むろん、予習なくしては実現し得なかったわけである。日本海の車掌は手を挙げ、雷鳥の車掌とごく束の間の挨拶を交わした。光跡を引きながらあっという間に列車は通過し、残された日本海はホームに佇むのみ。カメラのバッテリーが辛うじて持ちこたえてくれて幸いであった。ここでは青春18きっぷで大旅行をしているという方と談笑する機会があった。旅行はこういった出会いがあるから面白い。
近江塩津1944 → 敦賀1957これでようやく撮影は終了である。敦賀に戻る。
北陸本線3282M 新快速 モハ223-2188
駅前の太陽軒という店でラーメンと炒飯を食す。その後、今春に新しくオープンしたという敦賀の東横インにチェックインである。今晩は早めに寝てゆっくり休むとしよう。
写真
1枚目:艶やかな夕刻の雷鳥(@新疋田~敦賀)。
2枚目:黄昏の山間部を抜けてくる(@新疋田~敦賀)。
3枚目:日本海と雷鳥、一瞬の離合(@近江塩津)。
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