夏の大糸線 Part 1
夏の大糸線 Part 1
夏の大糸線 Part 1
空は刻々と白んできたが、やや曇っているようである。EF81やEF510率いる早朝の北陸本線の貨物列車群が続々と糸魚川を通過してゆく。能登で到着してから大糸線の始発列車に乗るまでの1時間20分あまりの間に、上下合わせて6本もの列車が過ぎ去っていった。大幹線としての日本海縦貫線の姿を垣間見る。

糸魚川604 → 平岩640
大糸線420D キハ52 156
下りきたぐにの到着と発車も撮影し、いよいよ大糸線に入る。今日のA2運用は予定通り朱色の156号である。後続のA1運用は赤い国鉄色の115号であるから、今回は存分に撮影を楽しめそうである。3月に訪れた時とは一変して、沿線は夏の静かな朝といった様相を呈している。山々の中腹には朝霧が低く立ちこめ、朝日の差すのを待っているかのようだ。半時間ほどで平岩に到着し、17分の長時間停車である。一番列車の乗客は多い。シーズン中ということもあって、その大半は国鉄色目当てで訪れた旅行者といったふうに見受けられた。前回もそうであったが、平岩駅は小さな撮影会といった趣である。

駅を出てすぐの橋梁のたもとへ向かう。徒歩40秒程度。これほど手軽な撮影地というのも珍しい。列車移動の撮影行には最適。420Dのすぐ後を追ってくる424Dをここで撮影する。背景の山は綿菓子のように霧を中腹に冠っている。山間部なのでまだ日は差してこない。静謐な朝の空気を破るのは、谷にこだまする列車の警笛。程なくして、424Dは現れる。

橋梁をくぐって姫川を渡って対岸に移動すれば、今度は同じ橋梁を側面から狙うことができる。424Dは平岩で折り返して421Dとなり、糸魚川へ引き返す。列車本数の多い朝は「おいしい」時間帯といえよう。雪景色ならばいっそう魅力的と思われる構図ではあったが、421Dはトコトコと橋梁を渡って行った。単行列車の画面内への置き方というのは、長編成列車の場合以上に撮影者の裁量によるところが大きいし、それだけに難しいともいえる。

今春訪れた時は日帰り風呂に入った姫川温泉郷を抜けてしばらく歩くと、大網発電所に近づく。大網踏切という場所で平岩まで乗って来た420Dの折り返し、423Dを撮影することにする。逆光ではあるが、致し方ない。アウトカーブに単行を載せるというのは初の試みではあったが、ここは高速連写に頼ってみた。156号の朱色も塗り替えられたものとはいえ、だんだんと褪色してきて味が出てきたように思う。

平岩近辺での撮影はこれにて終了。

写真(@小滝~平岩)
1枚目:朝霧の谷をゆく。
2枚目:国鉄色が渡る。
3枚目:朝日の差し始めた大糸線。

1173文字

コメント

夕風
2009年8月29日11:14

北陸近辺を旅しておられたんですね!
大糸線は僕も近々乗ろうと思ってました。
続きの旅行記を楽しみにしています(笑)

くはね
2009年8月30日8:38

コメントありがとうございます。

なかなか長大な撮影行でしたので、旅行記の方はぼちぼち更新していこうかと思います。

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