早春の大糸線 Part 1
早春の大糸線 Part 1
早春の大糸線 Part 1
目が覚めると5時前である。先刻黒部を発車したようだ。糸魚川まではあと半時間ほど。顔を洗い、車窓を眺める。小さな覗き窓は曇っていて、拭いてみたがすぐにまた曇ってしまう。外は寒いのだろうか。泊を発つと、車窓には寒々しい青色に染まった日本海が映る。海にせり出した国道と北陸自動車道の高架が見える。親不知を通過した模様。車掌がわざわざ来て下さり、「次が糸魚川です」と告げる。

糸魚川に降り立つと、少し太った下弦の月がまだ西の空に浮かんでいた。奥に聳える立山連峰は、青白く浮き上がっている。東の空は夜明け前の薄明で、一日の始まりを予感させる。空気は冷たいが、とりあえず静かな駅前に出る。北陸本線をくぐって駅の南側に出てしばらく歩くとセブンイレブンを見つけたので、食糧と予備の乾電池を調達する。再び駅に戻って来れば、大糸線の始発に丁度良い時分である。

糸魚川604 → 北小谷708
大糸線420D・422D キハ52 115
エンジンをかけて停車していたのは赤い国鉄色の115号。今日のA2運用である。後続のA1運用は青い国鉄色の125号。

キハ52は重厚な走りを見せ、姫川沿いに山奥へ分け入っていく。今年は暖冬で3月ともなれば沿線の雪はほとんど無いと聞いていたが、昨夜は雪が降ったのか、周りの山々はうっすらと雪化粧である。平岩では17分の長時間停車。心行くまでキハ52の撮影を楽しむことができる。この塗装はホームに佇んでいるだけでも十分絵になるから、嬉しい限りである。日の出を迎えても谷に日が差すにはまだ早い。青白い雪に囲まれて、しばし至福のひと時。やがて平岩を発車し、新潟・長野の県境を越える。私は北小谷で下車する。

@北小谷~平岩
駅前の旧国道を少し歩き、途中で脇道に逸れてつづら折りの山道を登る。空は青く明るいが辺りはまだ日陰で、路面は凍っている。注意深く歩くこと20分ほど。やがて眼下に姫川と大糸線の線路を俯瞰する場所に到着する。右下には李平の集落も見える。日はまだ昇ったばかりで、薄い積雪は溶けずにまぶしく光を反射している。しばらく待つと、先ほどの折り返し423Dがトコトコと北上していった。

@北小谷~中土
来た道を戻り、撮影地を変える。この道は「塩の道」と呼ばれる旧街道のようだ。北小谷周辺は俯瞰撮影地が充実している。駅前を通り過ぎて国道148号線を南下することやはり20分ほど、今度は手前のトンネルに入る線路を見下ろすことができる場所に着く。先ほどの423Dと根知で交換して上ってくる426Dを狙う。通過前までは晴れていたのだが直前になって曇ってしまい、残念ながら見栄えのしない写真となってしまった。

写真
1枚目:早朝の平岩に到着した一番列車。国鉄色が映える(@平岩)。
2枚目:雄大な谷を走る大糸線。何処に写っているか分かるだろうか(@北小谷~平岩)
3枚目:南小谷を目指す下り列車。通過直前に曇ってしまった(@北小谷~中土)。

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