さらば九州ブルトレ Part 4
さらば九州ブルトレ Part 4
さらば九州ブルトレ Part 4
博多行普通1189Mは、はやぶさに道を譲る。

門司1103(+4) → 小倉1109(+4)
鹿児島本線1189M クハ813-219
はやぶさの後を追って、1189Mも門司を発つ。元々の予定では小倉から日豊本線に入り、ソニックで先回りすることになっていたが、遅延ゆえに小倉で乗り換えられるか否か不安である。車掌に尋ねると、接続は取ってくれるはずだという。

小倉1114(+6) → 杵築1216(+5)
日豊本線3015M 特急ソニック15号 クモハ885-403
小倉に降り立つと、隣にはやぶさが青い編成を横たえていた。同じく青いソニック18号と顔を並べている。世代交代を象徴するこの風景をカメラに収めたいのは山々だったが、はやぶさがすぐに発車してしまったのと、ソニック15号への乗り換えを急がねばならなかったことがあって、断念した。

「白いソニック」ということで、車両は885系。幸いにも接続は取ってくれたようで、列車は6分遅れで小倉を発車し、日豊本線に歩みを進めて快調に飛ばし始めた。宇島では若干空いたので、自由席に着席。中1の鉄研旅行で長崎行かもめに乗った記憶があるが、やはり座席は黒革のシートである。どっかりとした座り心地は583系のボックスシートを彷彿させ、昨晩の新幹線指定席よりも数段快適である。JR九州は独自色の濃い車両を次々と開発しているが、その試みは成功していると言えるのではないか。

先ほどデッキで検札して頂いた車掌は「この後に富士が来ますよ」と言う。最後の九州ブルトレは少なからぬ注目の的となっているようだ。車窓を眺めると、のどかな田園風景の中、カメラを構えたファン、見送りに来たと思われる地元の人々が点々と見える。天気は晴。宇佐を出ると国東半島の付け根を越える。やがて5分遅れで杵築に到着である。

@杵築~大神
駅から撮影地を望むことができる。菜の花の絨毯が敷き詰められた築堤である。桜こそまだ咲かないものの、九州は既に春である。しかし、桜を待たずして、九州ブルトレは一足先に姿を消す。昨晩の東京に始まり、桑原漁港、門司と最終列車を追跡してきた。最後の最後は、ここで富士を見送ろう。

地元の方としばし談笑する。日出駅近くに早咲きの桜があるのでそれを見に行こうとしたが、ついでに最終のブルトレも見送ろうと思ったのだそうだ(難読駅名:ひじ)。12時42分、長い汽笛が聞こえる。2時間遅れで富士は日豊本線を下って来たのだ。何度も何度も汽笛を吹鳴しながら、杵築駅を出た富士は築堤に接近する。ED76の赤色、客車の青色、そして菜の花の黄色が鮮烈なコントラストをなす。早春の風景の中、富士は終着大分へラストラン。大勢の人々に見送られ、築堤を駆け抜ける。春の日差しを受けて、ED76 90率いる最終列車は築堤に続く八坂川の鉄橋を渡っていく。汽笛が寂しげに響く。やがて列車は鉄橋を去り、姿を消した。終着はもうすぐである。最後は、別府湾に惜別のホイッスルを鳴らして走るのだろうか。九州の地を駆けることは、もうない。

写真(@杵築~大神)
1枚目:菜の花の築堤を駆け抜ける最終富士。
2枚目:牽引の任に就くED76 90。春の日差しを浴びる。
3枚目:さようなら、九州ブルトレ。

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