思い立ったのは3学期の期末考査中だったしょうか。もっとも、訪れたい場所というのは元から山ほどあるのですが、中でも今回、とりわけ私が興味を惹かれることとなったのは、石巻線の貨物列車でした。本数の多さはもとより、何よりも、これらの牽引を一手に引き受けるDE10の姿に惹かれたといっても良いのかもしれません。
前にもふれたような気がしますが、昨年1月の北陸旅行で城端線のDE10牽引貨物列車に出くわして以来、どうも心の底では「左右非対称」という何とも形容しがたい斬新な魅力を感じ取っているような気がしていて、今回はそれに駆られてといったら良いのか、DE10が行き交う石巻線の貨物列車を撮影目標と決めたのでした。
無論、この機関車のためだけに石巻線というわけではありません。他方で私が惹かれたのは、短編成の気動車がのんびりと走るローカル支線の中に、こういった貨物列車が当たり前のように日常風景として溶け込んでいるという点で、こういった場所はここ以外にそう見つからないのではないでしょうか。そう考えてみると、実に魅力的な路線でありましょう。
というわけで、色々思案したわけです。なにぶん貨物列車を本格的な撮影目標として旅行に出かけるということは初めてのことでしたので、計画を練る時間はそれなりに要したような気がしないでもないです。石巻線ということは完全に例の土・日きっぷの範囲内ですから、切符としてはこれが最も御得ということになります。がしかし、貨物列車を効率良く撮影しようと思うならば、殆どの列車が運休になる土日というのは圧倒的に不利になってしまうわけです。そうなれば必然的に平日を狙うことになり、結局、往路は18きっぷ、復路は仕方なく新幹線という行程と相成りました。
さて、本当ならば始発の新宿から乗る予定だったのですが、金沢行の北陸を撮影してみたく思ったので、通勤客で混み合う埼京線の通勤快速にわざわざ乗車し、大宮へ向かったのでした。とりあえず何とか撮影はできましたので、良かったといったところ。
そして新潟行のムーンライトえちごに乗り込むこととなるわけですが、どうやら5分ほど遅れて運転している模様。そういえば大宮で降りる人が結構いて驚きましたね。ホームライナー代わりに利用しているのでしょう。さて、列車はやはり遅れて大宮を発車しましたが、高崎までには回復できるとのことです。と思った矢先、途中の鴻巣で何故か急停車。一瞬人身事故かと思ってしまいましたが、間もなく発車したので胸をなでおろし、高崎までしばしの睡眠。減光してくれるとは嬉しいですね。ながらの方は何度となく乗りましたが、実はえちごは今回が初乗車です。
0時47分に高崎に到着し、26分の長停。ここで急行能登に道を譲ります。折角なのでホームに出て撮影。度々廃止が囁かれる急行能登ですが、ボンネット型が未だ現役というのは奇跡的なのかもしれません。重厚感溢れる編成をしばし横たえると、まもなく発車時刻。上越国境へと去って行きました。そして今度は我々のえちごも高崎を発車。それでは、ゆっくりと眠ることにしましょう。
目が覚めたら新津。向こう側のホームには大阪行のトワイライトエクスプレスが運転停車中。さすがにまだ夜は明けておらず、空は真っ暗。やがて、定刻に新潟に到着となりました。ムーンライトえちごはなかなか好める感じです。
村上を発車すると次の間島まではトンネルの連続で、車窓左手には日本海が間近に迫ります。越後早川、桑川、今川と列車は北上して行きますが、それにしてもこの寂寥たる日本海沿岸の風景には実に心を動かされるものがありますね。幾つものトンネルで奇岩をくぐり、白い波が砕ける浜の向こう側を見てみれば、水平線上にはぼんやりと粟島の島影が浮き上がっているではありませんか。有名撮影地が存在する区間でもある勝木から府屋の間には、複線規格のトンネルが貫かれている箇所があります。国鉄時代に複線化の計画が持ち上がったようですが、その後凍結された模様。大きなトンネル断面に見合わない単線の線路という、この違和感がまた何とも趣深い。そして古代の奥羽三関の一つであるという鼠ヶ関に至れば山形県に入るわけです。差し込んでくる朝日がまぶしい。
ここからは地元の高校生がぽつぽつと乗車してきて、821Dは朝の通学列車といった様相を帯び始めます。ところで、小波渡から五十川の間は、古いトンネルが脇を通っていました。日本海側を北上する羽越本線はなかなか好きな路線であります。あつみ温泉を過ぎると列車は内陸、庄内平野へ。途中の羽前水沢という駅は水澤化学工業の貨物扱があるようです。そして7時半頃に鶴岡に到着。いかにも朝の列車といった感じです( ´∀`) それから微妙にうとうとしてしまいましたが、20分ほどで陸羽西線の乗換駅となる余目に到着。なかなか充実した2時間の旅でした。また乗りに訪れてみたいですね。
ここから先は乗ったことの無い区間だったのですが、やはり半分ほど寝てしまいましたorz 気がつくと既に山間部はとうに抜けており、家々が目立つようになってきた中を列車は走っていました。東北新幹線の接続駅である古川を過ぎれば、まもなく小牛田。やはり定刻。新潟から全てが定時で続いてきてくれたので良かったですね。ひとまず昼過ぎの小牛田に到着であります。
写真:急行能登・快速ムーンライトえちご@高崎
深夜の高崎で国鉄色同士が対面。
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前にもふれたような気がしますが、昨年1月の北陸旅行で城端線のDE10牽引貨物列車に出くわして以来、どうも心の底では「左右非対称」という何とも形容しがたい斬新な魅力を感じ取っているような気がしていて、今回はそれに駆られてといったら良いのか、DE10が行き交う石巻線の貨物列車を撮影目標と決めたのでした。
無論、この機関車のためだけに石巻線というわけではありません。他方で私が惹かれたのは、短編成の気動車がのんびりと走るローカル支線の中に、こういった貨物列車が当たり前のように日常風景として溶け込んでいるという点で、こういった場所はここ以外にそう見つからないのではないでしょうか。そう考えてみると、実に魅力的な路線でありましょう。
というわけで、色々思案したわけです。なにぶん貨物列車を本格的な撮影目標として旅行に出かけるということは初めてのことでしたので、計画を練る時間はそれなりに要したような気がしないでもないです。石巻線ということは完全に例の土・日きっぷの範囲内ですから、切符としてはこれが最も御得ということになります。がしかし、貨物列車を効率良く撮影しようと思うならば、殆どの列車が運休になる土日というのは圧倒的に不利になってしまうわけです。そうなれば必然的に平日を狙うことになり、結局、往路は18きっぷ、復路は仕方なく新幹線という行程と相成りました。
・大宮2348(+5)→新潟451少しでも現地での滞在時間を延ばしたいので、往路はやはり夜行列車です。残念ながら仙台方面への夜行列車というのは快速はおろか、適当な時間帯を走る寝台特急すらありませんので、ここは日本海回りで行くわけです。到着後の接続がかなり良好なので、羽越本線、陸羽西線、陸羽東線と乗り継げば正午過ぎには石巻線の起点である小牛田に到着することができます。
快速ムーンライトえちご モハ484−1021
さて、本当ならば始発の新宿から乗る予定だったのですが、金沢行の北陸を撮影してみたく思ったので、通勤客で混み合う埼京線の通勤快速にわざわざ乗車し、大宮へ向かったのでした。とりあえず何とか撮影はできましたので、良かったといったところ。
そして新潟行のムーンライトえちごに乗り込むこととなるわけですが、どうやら5分ほど遅れて運転している模様。そういえば大宮で降りる人が結構いて驚きましたね。ホームライナー代わりに利用しているのでしょう。さて、列車はやはり遅れて大宮を発車しましたが、高崎までには回復できるとのことです。と思った矢先、途中の鴻巣で何故か急停車。一瞬人身事故かと思ってしまいましたが、間もなく発車したので胸をなでおろし、高崎までしばしの睡眠。減光してくれるとは嬉しいですね。ながらの方は何度となく乗りましたが、実はえちごは今回が初乗車です。
0時47分に高崎に到着し、26分の長停。ここで急行能登に道を譲ります。折角なのでホームに出て撮影。度々廃止が囁かれる急行能登ですが、ボンネット型が未だ現役というのは奇跡的なのかもしれません。重厚感溢れる編成をしばし横たえると、まもなく発車時刻。上越国境へと去って行きました。そして今度は我々のえちごも高崎を発車。それでは、ゆっくりと眠ることにしましょう。
目が覚めたら新津。向こう側のホームには大阪行のトワイライトエクスプレスが運転停車中。さすがにまだ夜は明けておらず、空は真っ暗。やがて、定刻に新潟に到着となりました。ムーンライトえちごはなかなか好める感じです。
・新潟454→村上5503分の接続で発車する村上行の快速に乗車します。対面乗換ということからも分かるように、えちごからの客がほとんどですね。発車後はうっすらと空が青くなってきて、中条あたりで夜が明けた模様です。
白新線・羽越本線快速 クハE126−9
・村上556→余目757ここからは気動車です。羽越本線自体は全線が電化されているのですが、普通列車に関しては新津区の気動車で運用されています。架線下を気動車が走るというのも変な話ですが、電車では味わえない乗り心地を体感できるのが何より嬉しいところ。
羽越本線 キハ47 522
村上を発車すると次の間島まではトンネルの連続で、車窓左手には日本海が間近に迫ります。越後早川、桑川、今川と列車は北上して行きますが、それにしてもこの寂寥たる日本海沿岸の風景には実に心を動かされるものがありますね。幾つものトンネルで奇岩をくぐり、白い波が砕ける浜の向こう側を見てみれば、水平線上にはぼんやりと粟島の島影が浮き上がっているではありませんか。有名撮影地が存在する区間でもある勝木から府屋の間には、複線規格のトンネルが貫かれている箇所があります。国鉄時代に複線化の計画が持ち上がったようですが、その後凍結された模様。大きなトンネル断面に見合わない単線の線路という、この違和感がまた何とも趣深い。そして古代の奥羽三関の一つであるという鼠ヶ関に至れば山形県に入るわけです。差し込んでくる朝日がまぶしい。
ここからは地元の高校生がぽつぽつと乗車してきて、821Dは朝の通学列車といった様相を帯び始めます。ところで、小波渡から五十川の間は、古いトンネルが脇を通っていました。日本海側を北上する羽越本線はなかなか好きな路線であります。あつみ温泉を過ぎると列車は内陸、庄内平野へ。途中の羽前水沢という駅は水澤化学工業の貨物扱があるようです。そして7時半頃に鶴岡に到着。いかにも朝の列車といった感じです( ´∀`) それから微妙にうとうとしてしまいましたが、20分ほどで陸羽西線の乗換駅となる余目に到着。なかなか充実した2時間の旅でした。また乗りに訪れてみたいですね。
・余目800→新庄850陸羽西線といえばこの間乗ったばかりですが、今回もまた利用することになるということは、やはり山形の沿岸と内陸を接続する路線として重要だということでしょう。さて、残念ながら途中まで意識はあったのですが、気がつけば既に新庄の一つ手前、升形に到着してしまっていたのでした( ´・ω・`)
陸羽西線 キハ110−238
・新庄1000→小牛田1204車両は共通運用のようで、同じ編成が小牛田まで向かうことになります。1時間ほど暇があったので、駅前の四季音という食堂で山菜そばを食してきました。そして新庄からは陸羽東線。夜行明けというのは突如眠気が襲ってくることがあるもので、半時間ほど眠りに落ちてしまいました。目が覚めると立小路、赤倉温泉といった駅を発車。この次の堺田という駅は山形側の県境にあたり、日本海と太平洋の大分水嶺にもなっている場所のようです。いずれの路線においても、山越えの区間というのは一つの大きなハイライトであるでしょう。列車は何度も汽笛を吹鳴、山間部を軽快に走り抜けていきます。そして鳴子温泉着。
陸羽東線 キハ110−238
ここから先は乗ったことの無い区間だったのですが、やはり半分ほど寝てしまいましたorz 気がつくと既に山間部はとうに抜けており、家々が目立つようになってきた中を列車は走っていました。東北新幹線の接続駅である古川を過ぎれば、まもなく小牛田。やはり定刻。新潟から全てが定時で続いてきてくれたので良かったですね。ひとまず昼過ぎの小牛田に到着であります。
写真:急行能登・快速ムーンライトえちご@高崎
深夜の高崎で国鉄色同士が対面。
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