八重雨の新疋田
小雨の降る米原駅を去っていく急行銀河を見送ると、駅は再び静寂を取り戻したわけですが、既に朝は始まっています。米原では30分あまりの時間があり、ここで敦賀行の北陸本線に乗り換えるのですが、まだ入線していないようなので、寒い構内をぶらついてみるも、何も無し。ホームでおとなしく待つことにしました。

米原614→新疋田655
北陸本線 クハ520-4
やって来たのは2両編成の521系。419系や475系はこの線区からは惜しくも引退し、湖北を走る普通列車は全てこの系式に置き換えられてしまった模様です。とはいえ、旧来の特急形ないし急行形で普通列車を堪能するのも一方では良かったのですが、新型車両には新型なりの快適さというものがあるのは事実で、新快速電車と同じ座席で北陸本線というのには個人的には若干の違和感があったものの、乗客もわずかで、新疋田までは40分あまりの快適な道のりでした。

@新疋田
深坂トンネルを抜けるとすぐに新疋田に到着します。空がうっすらと寒々しい水色に変わってきました。ホームに降り立ってみると、やはり天気は雨、それも結構降っています。風も冷たいのでとりあえず駅舎に入ることにしました。

新疋田といえば山間の寂しい無人駅という印象があったのですが、昨年10月のダイヤ改正で京阪神からの新快速電車が来るようになってから駅舎の改築が行われたようで、小ぎれいなログハウス風の建物に様変わりしていました。舎内には明かりがともり、そこそこに保温され、トイレやテーブルも付いているという、無人駅であることには変わりないものの、かつてとは打って変わった快適な駅舎です。到着後すぐに有名な疋田カーブに向かおうと思っていたのですが、さすがにこの天候では厳しそうなので、ひとまずレインコートを着て駅撮りと相成りました。

しかしながら、まだ夜明け直後ということもありますが、降りしきる雨のために空が暗いです。感度を上げて、なんとかシャッタースピードを稼ぐことにしました。とりあえず狙うは、雷鳥4号、そして日本海4号。冷たい雨風が吹き付け、寒さが身にしみる中、待ちます。

やがて、パノラマグリーン車を先頭にして雷鳥が通過。早朝の上り列車ということもあってか、見たところ乗客はまばら。後続のしらさぎ、そして普通列車の後はいよいよ日本海です。特急日本海を撮る・・・今まで何度この願いが絶たれたことか。いよいよ、この雨の朝が雪辱の時というわけです。

ただ雨音のするのみであった構内に、にわかに鳴り響きわたる警報音。何度となく経験してきたこの緊張感ですが、カメラも既に構えてあるとはいえ、それでもやはり緊張はますます高まっていきます。そして間もなく、遠くに烟るカーブにヘッドライトが閃くと、雨に濡れた二条の鉄路が照らし出されました。次第に列車の全貌が顕わになり、駅に接近してきます。ローズピンクのEF81が24系客車の長編成を牽引し、雨のカーテンを切っていよいよカーブを駆けてきたところを、撮影。中線を通過していく列車の姿は残像のように焼き付けられて、最後には深坂トンネルに吸い込まれていく後追いを撮ったのでした(819通過)。

ようやく果たされました( ´∀`)

写真:特急日本海@新疋田
雨を切り、一路大阪を目指す。

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