秩父鉄道 Part 4
撮影もいよいよ終盤に近づいてきました。影森付近での貨物列車を撮影し終えた後は、浦山口あたりでのんびりと撮り歩くことにしました。のんびり、とはいえもうすぐ三峰口からSLが帰ってくる時間ですね。木々はまだ紅葉が今ひとつといった感じですが、秋の風景を行く姿をしっかりと収めたいものです。

@浦山口〜武州中川
しばらく曲がりくねった国道を歩くと浦山口駅が見えてきます。ほとんどが交換駅という秩父鉄道では珍しく、1面1線の小ぢんまりとした駅。駅の下をくぐり、武州中川方面へ向けてしばらく歩いて行くと浦山川という川が下に見えてきます。列車はここに架かる短い鉄橋を渡って行くわけですが、少し先に進んで河原に降りてみると良い感じでこの橋を見上げられる場所があったので、SLはここで撮影することにしました。川は水を湛えてゆっくりと流れて行きます。で、よくよく見てみると水鏡が出来ているんですね。赤い鉄橋の姿が川面に映し出されています。ここでSLが撮れるとはなかなかの光景ではないですか。

ということで期待は高まり、しばらくまったりと普通列車を数本撮影します。しかし、こうしているうちに期待とは裏腹に不安も募ってきました・・・というのも少しでも風が吹くと波が立って水鏡が崩れてしまうんですね。それも何故か列車が通過する直前になっていきなり風が吹いたりして、とりあえずまともに写ったのは1枚のみ。完全な無風だと安心して撮影できるのですが、今日はそうもいかなさそうです。こういった部分は完全に運まかせということですね。

さて、いよいよSLの通過時刻が近づいてきました。水面には先ほどから細波が立っていて、風が止むことを願いつつ、緊張の時は過ぎます。そして3分ほどするとなんとか風が感じられない程度になり、波も収まってきました。次第に鉄橋の姿を取り戻し始める水鏡、このまま無事回復してくれると良い感じです。やがて響いた汽笛、遂にやって来ました。ふと水面を見ると鏡は元通り、そしてまもなく左手からSLが姿を現し、青空を背に煙を吐きながら鉄橋を渡って行きます。一瞬でした。水鏡も無事成功。空には雲も無く、絶好のタイミングだったといえましょう(・∀・)

そして通過した直後くらいに再び風が吹き始め、みるみるうちに鏡が崩れていきました。SL通過の時だけ風が止んだとは、運が良かったですね、本当に。

SLを無事撮影後は周辺をロケハン。南側の山には浦山ダムも見えましたが、あの高さまで道を登って行く気力はあまり残っていなかったので近辺を適当にぶらつくも、なかなか適したポイントは見つかりません。とりあえず鉄橋を渡る三峰口行の普通列車を正面から狙った後、山側へ大回りし、そして最後は上りの秩父路の後追いを仰角で撮影して終了となりました。後半はハイキングみたいな感じでしたww

浦山口→御花畑
さて、去る時がやって来たようです。浦山口を16時に発車する列車に乗ります。列車がホームに入って来た頃、ちょうど向こう側の山に太陽が隠れ辺りが暗くなってきました。黄昏が迫って来ています。来たのは5000系、銀色の元地下鉄車両。夕暮れの近づく中列車は走り、まもなく御花畑に到着。秩父鉄道ともお別れです。

西武秩父→池袋
帰りは疲れたこともあり、レッドアローに乗って帰ることにしました。専用の改札口から入り、乗車。車内はなかなか快適で良い感じ。やがて発車し、秩父線内は横瀬に停車した後は飯能まで通過します。この頃にはすっかり日も暮れて、その後はさすがは特急といった感じで池袋線を飛ばしていきました。そこそこ速く快適、620円の価値はあるのでは。

そんな感じの一日、そして誕生日でありました。

写真:SLパレオエクスプレス@武州中川〜浦山口
水鏡に姿を写し、秋の秩父路を行く。

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