去らば餘部鉄橋 Part 4
  キハ58、ここに復活。

  F4.0 1/250sec.



いよいよ15時を回って西日が強くなり、夕刻の到来が感じられる頃となった。今までは遠くから風景と一緒に列車を撮影していたが、ふと西日に映えるキハ58の姿を大きく収めてみたく思ったので、3本目の香住行き快速あまるべは駅へ赴いて撮ることにした。西側の方の道から入って駅へと登る。案外道のりは長く、駅へ登るまでにはそこそこ苦労する。40mという鉄橋の高さを改めて実感するところである。さて、駅に着いてみれば相変わらず多くの人で賑わっていた。ホーム脇を上がった場所にある定番の撮影ポイントは、危険防止のために時間ごとの入替制となっていた。やがて、時刻となった。接近放送が流れ、遠くから2灯のヘッドライトがゆっくりとこちらへ進入してくる。香住方の2両は金沢のキハ58のようで、国鉄色の塗装もなかなか新しい。一方で浜坂方の2両は元鳥取の車両で、同じ国鉄色でもずいぶんとくたびれて見える。しかしながらそれだけに、かつて山陰を走り回ったその栄光が見て取れるようだ。一時は廃車にされかけていた車両であるが、この度ここ山陰へ奇跡的な復活を果たしたことになる。

ホームは人でごった返し、とりあえず乗降の終った列車は扉が閉まった。そしてまもなくゆっくりと動き出した。エンジンが力行を開始した途端に各車両の屋根から立ち昇った白い排煙、印象的である。4両の国鉄色が餘部のホームを去り、そして鉄橋を渡っていく。縦でその後追いを狙ってみる。夕陽に国鉄色が美しく映えていた。

キハ58、その貫禄は不朽である。

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